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5-2

 ここまでの話で私には十分だった。やはり彼は私の知っているリオン・グランクヴィストで間違いない。いや、少し語弊がある。正確に言うならば、私が知るよりも過去のリオン・グランクヴィストで間違いないだろう。


 私が彼を知ったのは1年ほど前だ。顧客の女の子におすすめされ読んでみた異世界転移物の小説のメインヒーローがリオンといった。


 近未来、とある国の軍人をしている美しいヒロインが、戦地から異世界のリオンの元に転移してしまう事から物語が始まっていく。


 リオンを始めとするイケメン領主達が夫となる逆ハー展開と、あらすじだけ聞いて若い子が好むラブコメかと顧客には悪いがあまり期待せずにいた。だがしかし、良い方に期待を裏切ってくれたもので作り込まれた世界観と奥深いストーリーにいつの間にか目を離せなくなっていた。


 彼らの領地に何度となく侵略を試みる王国に郷を煮やし、リオン達は王国の掌握へと動いていく。ヒロインもただ守られて甘やかされるのを良しとせず、彼らと並び立ち一軍隊を率いて元軍人の知識と能力を遺憾無く発揮して戦地を勇ましく舞い駆け巡るのだ。魔法もチートもなく、まるで歴史時代小説を読んでいる様で異世界物にしては年齢層の高い読者の指示も獲得し、一時期話題になった程の作品だ。


 物語のラスト、見事リオン達は勝利し王国全土をも手中に収めることとなる。


 王国に隣接する自治国家、御三家の家名、有能な側近の存在は全てその小説と合致する。そして目の前のリオンの容姿にしても、小説の設定通りの獅子の様な金髪で碧眼だ。


 ただ、物語のスタート時彼は既に領主で30歳を超えていた。目の前にいるリオンは25歳にも満たない容貌で、話によれば現在はまだ父親が領主を務めている。つまり、リオン・グランクヴィストであることは確かだが、私の知る彼よりも前の彼であると推察出来た。



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