表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/46

2


 似たような現象についてこれまで沢山見聞してきた私だが、体験するのはもちろん初めてである。しかも冷蔵庫とは。もしかしたら私以上の有識者達なら即座に前例を挙げる事も出来るかもしれないが、あいにく私にはそれが媒介となった事例は思い当たらなかった。冷蔵庫も媒介となり得るのかと素直に驚き、感動している。


 いけない、いけない。のんびりと構えていては強大なエネルギーに冷蔵庫のドアが弾け飛ぶかもしれない。そんな事になればビールを今後どうやって冷やせば良いのか。


 私は慌てて冷蔵庫のドアに手を掛け、意を決して慎重にその扉を引く。途端に強い光が溢れ出て辺りを照らした。


「っ…わわっ、、痛ぁ!」


 信じられない程の庫内の明るさに思わず目を瞑るがそれと同時に庫内から重みのある圧に押し掛かられてキッチンの廊下に尻餅をつく。


 しばらくして眩しさが落ち着いたのを察し眼を開けば、開け放たれた冷蔵庫は通常の光量で庫内を私に曝け出していた。


「よかった。ビールもつまみもドアも無事だ」


 私は安堵の呟きを溢し、身を乗り出して静かにドアを閉めた。しかしまあ、穏やかな休日は諦めなくてはいけないだろう。私は足元に転がる者に視線を落として自分に降りかかった運命を確認した。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ