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幻想のセラリウス  作者: ふたばみつき
-闘争それはある日突然に-
26/95

☆25 棍と剣

 甲高い金属音が街道に響き渡る。


 二人の手に握られた剣と鉄棍が衝突し合う。

 そして、そのやり取りが瞬く間に幾度となく繰り返されて行く。


 片方は黒い漆黒の服を纏い、その片手に黒い棍棒が握られ、黒い流星の如く、少女を襲う。

 もう片方は白いローブを纏い、その身体に青白い稲光を纏わせ、青白く輝く流星の様にらそのか細い腕に握られた剣を操り、男の棍棒を捌く。


 弾ける輝きは夜空に瞬く星の様に戦場を彩る。

 不意に男が口を開いた。


「本当にアナタ魔術師!? アタシとこれだけやりあえるなんて信じらんないわ!!」


 呆れた様な表情を浮かべると、その手に握られた鉄棍をこちらに凄まじい勢いで突き出して来た。


 こちらも剣に魔力を込め。その鉄棍を受け止めながら上部へと打ち上げる。

 鉄棍は僅かに上部に打ち上げられる。

 その隙を狙って、男の胴体に向けて剣を走らせる。


「中々、やるじゃない!! でも、そう簡単にはやられないわよ!!」


 鉄棍をひるがえし、直ぐ様守りの体制に移る。

 それと同時に、剣と鉄棍が衝突し甲高い金属音を響かせた。


 やっぱり、この男強えー。

 隊長格と言うのは伊達じゃねーな。


 コチラは“術式”で身体能力に擬似的なブーストを掛けているのに、平然と打ち合って来やがる。

 どうにかして隙を作らなければ。このままでは“魔力”が尽きて、俺の方が殺られてしまう。


 それに“術式”を維持するのも楽じゃねー。

 こっちは必死、俺の脳は既に爆発寸前だ。


 そんな状況の上、勝機も見いださなければいけないとは、下手したら、俺の脳が先に焼き切れてしまう。


 そんな思考の油断を付く様に、鉄棍がこちらへと突き出された。


 不味い!


 咄嗟に剣に魔力を込め磁力を宿らせる。

 

 それにより、剣は凄まじい勢いで走り、突き出された鉄棍をなんとか受け止める事に成功した。

 しかし、磁力の強さが足りなかったのか、今度はコチラの剣が上部へと弾かれた。


 打ち上げられた剣と共に、俺の身体が上部へと引っ張られ、仰け反るのがわかる。

 その瞬間、男が不敵に笑った。


「中々の腕前だったけど、これでお仕舞いねッ!!」


 凄まじい勢いで鉄棍を繰り出してくる。

 不味い、油断した。素直に“術式”の維持に努めるべきだったか。


 しかし、次の瞬間、俺の頭の中で新しい勝ち筋浮かんだ。

 

 ぶっつけ本番でやれるか!? 

 いや、やるんだッ!!


 刹那、自分の回りを包む磁界に全力の“魔力”を込めた。

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