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幻想のセラリウス  作者: ふたばみつき
-闘争それはある日突然に-
24/95

☆23 術式

《術式展開 専権磁界》


 そう呟いた瞬間、青白い稲光と眩い光が周囲を包み込む。


 この世界、いや“魔術”の世界には“術式”と言う物が存在する。

 それは例えるならば、算数の数式と同じと言ってもいいだろう……


 例えば1+1=2と言う式がある。


 この1が一つの“魔術”であり、その1が2つ合わさり2と言う魔術が発動する。

 この場合は単純に1と言う“魔術”が二回発動する。あるいは二連続で発動するとなる。


 例えば、俺のやった《五指絶掌》がこれに当たる。

 “初級魔術”の《指電》を五重で発動させる事が出来る。

 簡単に言えば“魔術”に置いてのライフハックの様な物だ。


 しかし、これを俺達は“術式”とは言わない。単純に式、つまりただの“魔術”の初歩として扱う。

 術式とは少なくとも20か50。多くて100や200或いはそれ以上の“魔術”を式に組み込み。更には、それを“魔術”として成り立たせ。頭の中で詠唱し続け。お互いにお互いの“魔術”を補完、あるいは相互補助し合い。

 最終的な解となし、術式とする。


 こう言った“魔術”の効力を何倍にも膨れ上がらせる技術の事を魔術師は“術式”と呼んでいる


 その難易度故に“術式”と言う物を所有している魔術師は非常に少ない。

 その反面、“術式”は編み出す事さえ出来れば、凄まじい武器となる技術だ。


 そして、これが俺の編み出した術式《専権磁界》だ……


 この世界の知識だけでは、到底辿り着かなかったであろう“術式”。

 俺の前世と、俺の“魔術属性”が奇妙にも混線し産み出された代物だ。


 僅か、20から30の魔術で組み立てられ。その大半を自然の摂理や物理法則に頼っている。

 これを“術式”と呼ぶには、あまりにもはばかられる程に不格好で不出来な代物だ。

 だが、その性能は紛れもなく、“術式”の位に至っている筈だ……


 バチリ、バチリと弾ける様な音が俺の周囲を包み込む。


 よし、“術式”は正常に作動してる。


 これでいい、“術式”の内容がどんなに不格好でも、式さえ成立していればいいのだ。

 恐らく、この相手にもバレる事は無いだろう。


 この“術式”が頼る自然の摂理とは、磁力である。


 いま、俺を中心とし歩幅にしておよそ三歩分の範囲が磁力の渦に覆われている。

 傍目からは、俺が青白い稲光を纏っている様に見えるだけだが、事実それよりも僅かに広い範囲が術式の支配空間にある。


 この支配空間内では、俺の“魔力”を帯びた物体は、自然と磁力を帯び。磁力の強さ及び、そのプラスとマイナスの権限を自由に支配出来る様になる。

 俺は、常時発動する“魔術”に、この術式の一部を組み込んでもいる。


 その組み込んだ“魔術”とは、俺の“魔術”に触れた物に磁力を帯びさせると言う物だ。


 これにより、普段から使う“魔術”のコストは若干増えるが、その反面莫大なメリットがある。


 それがこれだ……


 “術式”に集中していた頭を、現実世界へとより戻す。

 すると、今まさに目の前に黒い鉄棍が迫り来ようとしていた。


 しかし、次の瞬間。甲高い金属音が辺りに響き渡った。


「な、なによ。今の?」


 フランソワ・ロベスピエール。


 彼が目を丸くし、驚きの声をあげた。

 驚くのも無理はない。なんせ、奴自慢の鉄棍が凄まじい勢いで飛んで来た“何か”に、勢いよく弾き返されたのだ。


 彼が、その“何か”を目の当たりにし更に目を丸くした。

 

 なんと彼の目の前に、今しがたまで“黒の師団”の兵隊が持っていた、黒い剣浮いていたのだった。

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