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幻想のセラリウス  作者: ふたばみつき
-闘争それはある日突然に-
13/95

☆12 襲撃

 目の前を不機嫌そうな顔をしているであろう、ドッグが歩いている。

 ただ、一日時間を置いているので、そこまでの怒りは感じてこない。


「まったく、昨日、君は何処に行ってたんだ!」

「教えなーい!!」


 あの後は食堂のおばちゃんのからサンドイッチを貰って姉弟達にあげてました。

 それで、お勉強を教えてあげたり。遊んであげたり。お話をしてあげたりしました。


 サンドイッチに関しては兵站みたいな物だから、ああ言った使い方をするのは良くないんだが……


 まあ、知ったこっちゃないので、どうでもいい。

 

「はあ、昨日は少し大人しくなったと思ったが。一日経ったら元通りじゃないか!!」


 ドッグがチラリとこちらに視線を向ける。

 俺は、それに気付かないフリをして誤魔化す。


 そんな様子の俺を見て、ドッグが少しだけ嬉しそうに微笑んだ。


 俺が通常運転に戻ったから嬉しいんだろう。

 まあ、ドッグはそう言う奴だ。


 委員長みたいな厳しい性格をしているが、節々で甘い所がある。特に俺には甘い。


 兄妹弟子の弱味って奴だ。

 

 普段通りの雰囲気に戻った心地好さに、思わず笑顔が漏れる。

 そう、これでいいんだ。


 俺は馬鹿やって、ドッグが注意する。

 これでいいんだ……


「ほら、早くしないと遅刻するぞ。今日の授業の講師はパウル師範だ。くれぐれも居眠りなんかするなよ」


 ドッグが笑いながら語りかけてくる。


 こちらも笑顔で答えようと思ったが、ドッグの向こう側の景色を見て、俺は笑みを失った。

 俺の表情の変化を見て、ドッグも俺と同じ方向に視線向けた。


 視線の先の状況を見て、ドッグの笑顔がゆっくり影を潜めた。

 なにやら、教室の方が騒がしい。


 何時もなら、授業の始まりを待つ候補生達が静かに教室で待機しているはずのに……

 

 いつもと違う雰囲気を察して、ドッグの方を見る。

 ドッグも難しそうな顔をしている。


「ドッグ、なんか様子が変じゃねーか?」

「ああ、そうだな……」


 よく見ると、教室入り口当たりが騒がしいようだ。教室の外に候補生達が集まって人だかりを作っている。


 一体、何があったんだ? 

 なんだか、キナ臭くなってきたな……


 ドッグが意を決して、人だかりへと近づいて行く。


「どうしたんだ。何かあったのか?」


 ドッグの問い掛けに対し、幾人かの候補生が勢いよく答えた。

 そして、その勢いよく帰って来た答えを聞いて俺達は驚愕した。


「どうしたもこうしたもない! “黒の師団”が!!

“黒の師団”がこのホワイト・ロックに攻めて来たんだ!」


 そんな馬鹿なありえない!! 

 思わぬ答えに血の気が引いて行く。

 ま、まさから、この“白の師団”の総本部に“黒の師団”が攻めて来ただって!!

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