乙女ゲームっぽい要素がでてきた
初投稿です。
最後までお読み頂けると嬉しいです。
「やっぱりなんかの乙女ゲーム系でしょうか⁇ラノベっぽいとこはないような?ゲームっぽいです!」
「私もそんな気がしてたの」
お昼の時間。この学園の食堂は広い。テーブル全部どかしたらダンスホールになってしまいそうな程の広さ。みんな持参したお弁当や食堂が提供する食事をしている。学食は少しお高いので平民はみんな弁当派みたいだ。
「お義姉様、またそれだけですかぁ?」
コーラルが私の食事を見て眉を顰める。
「…食事が合わないんだもの」
前世、日本人だったメグは今世で出るいわゆる洋食のコースメニューは苦手だ。毎回、ステーキや魚のムニエルだったりフリッターだったりの濃い味付けに胃が悲鳴を上げる。たまには良いのだが、毎食は本当に苦しい。食べられるモノがないのだ。サラダをフォークの先で突きながら唇を尖らせた。
わかりますけどぉ、といいながら優雅にステーキを細か切るコーラルまで唇を尖らせる。
「私は慣れちゃって。もともと前世でもほとんどジャンクフードだったんです。うち、母子家庭で母親の帰り遅かったんで。兄妹とかいれば料理したりしたんでしょうけど…。一人だとめんどくさくなっちゃって買い食いばっかりで」
あっけらかんと言うコーラルに驚いた。結構さみしい人生だったのかな、と心配になった。
それを聞くと、
「全然!!楽しくやってました。友達もたくさんいたし母親とも仲良くて、仕事休みの日には一緒に買い物したりで」
そう言ってコーラルは笑った。
ならいいんだけど。メグはサッパリした性格のコーラルに安心した。
「一人っ子だったから、今世では血が繋がりがなくてもお義姉様ができて嬉しいです!友達みたいだし人生の先輩だし…」
「人生の先輩って言われる程の年齢はいってなかったわよ⁉︎」
「そうですけど、前世では8コ年上だったんで」
「まあ、女子高生からみたら人生の先輩?なのかしら」
「ですです!」
激しく頷くコーラルにちょっとイラッとする。
おばさんっていいたいのかしら⁈
んんっと軽く咳払いしてメグは話を戻す。
「ゲーム、なんのゲームだと思う?」
ああ、それ。とコーラルは口許をナプキンで拭きながら
「まったくわからないです。多分プレイしたことないと思います」
「コーラルがわからないなら私はもっとダメ。シュミレーションゲームは長いから嫌い」
「長いって、仕方ないですよ。ストーリーなんですから。うーん、さっきの殿下といい、近衛騎士見習いの方とか明らかに攻略対象者ですよね。モーレット侯爵令嬢なんて悪役令嬢っぽいし」
「配役はそうでしょうね。ヒロインはコーラル」
「やだ!やっぱりそう思いますか!?」
コーラルは悲鳴じみた声を出して立ち上がる。
それを周囲を警戒しながら引っ張って戻す。
力無く椅子に座り直すと、真っ青な顔をしたコーラルは頭を抱えた。
「前世を思い出してから改めて自分を鏡で見てからもしやと思ってたんです!髪の毛ピンクだし、瞳もピンク、美少女キャラで子爵家某系の出身は平民では?レベルな母で伯爵家の後妻に連れ子と入るって…」
「ピンクはねー。もしかしたら本来なら私はコーラル達を虐める側だったのかしら?」
「あ、そうですねっ…。私達が虐めてましたよね屑レベルに」
「まあ、お義母様が主にね。コーラルは遠巻きに見ていただけね。あ、野次られたかしら」
うっとコーラルが胸元の服を掴む。
「お母様、もともと苛烈な人なんですよ。猫被るのうまくてお義父様はまんまと猫被った姿に騙されたんです」
「お父様があの世に行ったらお母様にぼこぼこにされるでしょうね」
いい気味だわ〜(笑)メグはくすっと笑う。
「でも最初っから私は悪い子だったんでヒロイン要素なんて髪色だけですよ。他にいるんじゃないかしら?」
「悪い子って…。うーん、でも殿下って明らかにコーラル狙いっぽくなかった?コルトン様はわからないけど…」
「そうでした?私、殿下みたい顔の方、タイプです!好みのど真ん中です!!」
「わぁ、良かったじゃない?ぐいぐい行くと引かれるからそのままのコーラルでいてね」
「はあい」
でも彼氏はいらないかなー、と言って笑ってる。
いらないんだ!?
そんな会話で楽しくランチタイムを終えた。
最後までお読みくださりありがとうございます。