クラスメイトのキャラが濃い
初投稿です。
最後までお読み頂けると嬉しいです。
入学式は滞りなく終わり教室へ入った。
何やら入試の成績順のようで私はAクラスだった。まあ、簡単だったので(笑)
コーラルも今のところAクラスで一緒だ。
二人で教室に入るとみんなの視線がコーラルに集中した。
「な、なんでしょう?不躾に人の顔ジロジロと見てきて…感じ悪すぎません?このクラス」
コーラルは若干ビクつきながらメグの後ろに隠れるとボソっと呟いた。
「でも、なんか男子生徒は顔が赤いからコーラルに好印象なんじゃない?」
「まあ、この顔はかわいいんでわかりますけど…女子ですよっ…!」
わかるんかいっと心の中で突っ込みつつ女生徒を見た。確かに女子特有のイヤーな雰囲気。
「…もしかしたら、貴方の出自や見た目に対しての嫉妬がありそうね」
「マジ最悪じゃん」
「どこの世界も一緒ね。私、苦手なのよね。こういう空気。人付き合いもあんまり良くなかったし」
「えっ!?大丈夫ですか?わたし同じクラスで良かったですよ。お義姉様の事は私が盾になりますから」
コーラルと一緒だと絡まれないかしら?とは言えない。この子ほんとにいい子なのよね。前世でも面倒見良かったんじゃないかしら?
「とりあえず座りましょう」
メグとコーラルは空いていた一番隅の一番後ろに二人並んで座った。前世と違って机と椅子は長テーブルと長椅子だ。気持ち寄り添い気味にコーラルがメグの方に座る。
そんな二人の上に影が差した。
「隣いいかな?」
メグとコーラルが同時に顔を上げる。
「どこも空いてなくて、隣失礼するね」
優しい声で言うと答える間もなくコーラルの隣に座る。私は端にいるから隣は壁かコーラルだ。
「あ、はい…」
コーラルは顔を真っ赤にしてコクコク頷く。
ああ、この方はファーバァル王国第3王子のセイン・サン・ファーバァル殿下だ。
さすが王族、イケメンである。王道の金髪碧眼で少し垂れ目がちで声が柔らかい!
私、声フェチなんだけど殿下いい声してるっ!
この方メチャクチャ優しそうな雰囲気だなぁ。
コーラルったら固まってるし。
「殿下、先に行かれると困りますよ」
ちょっとムクレ気味に後頭部をガシガシと掻きながらセイン殿下の隣にドカっと座る男性。
焦茶の短髪で少し黄色っぽい茶色の瞳の男性は近衛騎士見習いのガッシュ・コルトン伯爵令息。
コルトン伯爵家は上位伯爵家なので殿下の側近候補なのかも。この方はコルトン家次男様なんで近衛騎士見習いをやってるんだろうな。この人もカッコいいなぁ。
「悪かったね、ガッシュ。これから始まる学生生活に浮かれてしまってるかな」
「わかりますけどね。自由になるのはこの三年間だけですし。でも私は護衛も兼ねてるんで困るんですよ」
「悪かったって」
和やかに会話する二人に周囲はそわそわ話しかけたいオーラがすごい。特に女子。
貴族子女は学園が良縁探しの場である。優良物件の下調べはしっかりしてきてるだろう。
殿下なんて超が付く優良物件だし、ガッシュもいい物件だ。
そこに黒髪の美女がにっこりと近づいてきた。
すごい美人。胸も大きいし、ウエストもほっそい!コーラルがゆるふわ美少女なら彼女はしっとり美女だ。口元の黒子が妖艶だわ。グラビアモデル?とコーラルが呟く。
「セイン殿下、お会いできて光栄です。
モーレット侯爵家長女、カレン・モーレットですわ」
カレンは優雅にカーテシーをする。周囲の生徒はその美しさにほうっとため息をもらす。
「ああ、モーレット侯爵家の…。同じクラスですね。宜しく」
殿下は社交辞令のような笑顔でひとつ頷く。
「コルトン様も、同じクラスですわね。宜しくお願いいたします」
ガッシュも目を伏せ礼をとる。
カレンは笑みを浮かべたままセイン殿下の隣に座るコーラルを見た。そのまま首を少し傾げうっすら笑う。ちょっと意味あり気な視線にメグはこくりと唾を飲む。隣のコーラルはペコリと頭を下げた。それ、日本人だからっ!メグは心の中でコーラルに突っ込んだ。
ぽかんとした表情のコーラルに呆れた様な笑みで一瞥すると、次に私に視線を移しふっと笑う。
バカにされてる、かな。コーラルは美少女だからともかく私なんか平凡だからね。メグは心の中で盛大にため息をつく。女子の嫉妬は怖い。今世はこんなものに当てられたくはない。前世もひどかった。
侯爵令嬢から声かけもないので私達下位は下手に挨拶できない。ただ下を向くだけ。
カレンはもう一度、セイン殿下とガッシュに華やかな笑顔を見せると踵を返し自分の席に戻っていく。それをセイン殿下が冷めた瞳で見ている事にカレンは気づかなかった。
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