表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドラゴンの転生  作者: 藤塲美宇
第八章 和解と再会

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/93

7

 光輝は目をつむり、胸に手を当てた。一瞬、顔を歪ませると静かに目を開けた。

 雰囲気が一気に変わる。光輝の体の中に別の何かの気配を感じた。背筋が凍る。これは、魔物の気配だ。


 でも、この感じ……懐かしい。


 姿は光輝だが、内側の気配はまったく別の何か。この雰囲気は――


「……コウ……か?」


 伏し目がちだった顔を上げ、俺と目が合うとふわりと笑顔を見せた。


〈……久しぶり……ソール〉


「! そ、その言葉……」


『ああ、こっちのほうが今はいいか』 


「コウ……何だな?」


『うん、そうだよ、僕はコウだ』


「……っ」


 俺はたくさんあった言いたいことを、飲み込んだ。


 今はコウの状況を聞いてみないと――


「何で、今まで……光輝の中に?」


『……たまたま、見ちゃったんだよ。光輝くんが暴走してるところを……それで、思わず、ね?』


「それで、光輝の中に入ったのか」


『うん。君たちに見つからないようにするの苦労したよ』


 光輝(コウ)は苦笑いをしながら、頬を掻いた。


「……光輝はコウがいないと不安だといっていた」


『うん、でももう本当は離れても大丈夫なんだ』


「そうなのか?」


『光輝は興奮すると、力が溢れてしまうことがあるんだけど、もう落ち着いているだろう?』 


「うん、まったく魔力を感じなかった」


『それはね。ソール、君のおかげでもあるんだよ』


「え? どういうことだ?」


『魔力は君が吸い取っていた。だから、僕は自我を保って光輝と話すことができたんだ。おかげで、光輝の中は居心地が良かったよ』


 光輝(コウ)は幸せそうな顔をした。


「魔力を吸い取ったって……昊、そんな能力があったの?」


「し、知らない」


 俺は大きく首を振った。


『うーん、なんていうか、君と光輝は……あとで説明するよ』


「なんだよ」


 光輝(コウ)は「ふうっ」とため息をついた。


『今は光輝の体を通じて話してる。体に負担がかかるから、手短に話そう』


「ああ、うん」


『それで、ソールが僕を探してるってことは……切羽詰まってるね?』


「……ああ、俺の力を取り戻したい」


『そっか……やっぱり、力が必要になっちゃったか』


 光輝(コウ)は残念そうに目線を落とした。


「それに戻らないと、本当に……」


『うん、僕もそろそろ戻らないといけないとは、思ってたんだけど……光輝がかわいくて、つい』


「お前……それが離れられない理由か?」


『……エヘ』


「エヘって……それじゃあ、戻れるのか?」


『うん、さっき光輝と入れ替わる前に話をしたんだ。少し寂しい思いをするけど、また会えるからって。そしたら、納得してくれたよ』


「そうか。でも、光輝から急にコウの魂が抜けて、本当に大丈夫なんだろうな」


『うん、大丈夫。必要だったのはほんの少しの勇気だった。でも、それはソール、君がさっき教えてやっていたから、大丈夫だよ』


 コウはまるで光輝に言い聞かせるように胸に手を当て言っていた。



『それじゃあ、僕を光輝の体と一緒にミーティスのところまで連れて行ってくれるかい?』


「え? 光輝も? 魂だけで行くのは?」


『体が生きてる状態の魂って、浮遊してると結構危ないんだよ』


「そ、そうなのか。でもあそこは瘴気が強い。まだ小さい光輝が行って大丈夫か?」


『うーん、あまり吸わないようにしないとね』


 光輝(コウ)が俺の後ろにいる二人をじっと見た。


『……ソール、君の後ろにいる子たちは導師だろう?』


「え? ああ、葉月と弥生だ」


 俺が光輝(コウ)に紹介すると、二人は会釈した。


 光輝(コウ)は二人をまじまじと見るとにこりと笑った。


『なら、大丈夫だね』


「なんで、言い切れる?」


『瘴気を浄化できる光属性の使い手と、僕の苦手な闇属性の使い手がいる。何かあった時のために君たち姉弟もついてきてくれるんだろう?』


「はい」

「……はい」


 葉月ははっきりと答えたが弥生は不安そうにしていた。


『この二人も来てくれるなら、こんなにも心強いことはないね』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ