表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【コント】 相席タクシー

作者: キバヤシ

男1・・・サラリーマン ツッコミ役

男2・・・タクシー運転手 ボケ役

女・・・乗車客 ボケ役


男1「なんだよ、部長のやつ。人に仕事押し付けて自分だけ帰りやがって…もういいや、今日はタクシーだ…って全然タクシー通らないな。あ、やっと来た。へい、タクシー!」

男1は中を覗くが後部座席にはすでに女が座っている

男2「お客様どうぞ」

男1「えっ、でも人が乗ってますけど…」

男2「ご心配なく。許可はいただいております」

男1「まあ、良いっていうなら問題ないか…失礼します!」

男1、女の隣に座る

男2「ご乗車ありがとうございます。安心・安全・出会いをお届けする相席タクシー、本日のドライバーは鈴木でございます」

男1「相席タクシー?何それ、初めて聞いた!」

男2「最近出会いが少ないと嘆くサラリーマンの方が多くて…そんな方々の助けになればと弊社が独自に始めたシステムでございます」

男1「何かよくわかんないけど…ドライバーさん、とりあえず西18丁目6番地までお願いします」

男2「お客様」

男2、男1の方を振り返る

男2「初対面の女性をいきなり家に連れ込もうとするのは感心できませんね」

男1「いや、そんなつもりじゃねえよ!じゃあ、どうしろって言うの?」

男2「まずは自己紹介から初めてはいかがでしょうか?」

男1「ええ、面倒くさいな。こっちは残業で疲れてるのに」

男1、女の方を見る

女「山田尚子と申します。」

男1「あ、渡辺幸輝です」

男2「私は安心・安全・出会いをお届けする…」

男1「それはさっき聞いたよ!あんた鈴木さんでしょ!…とりあえず西18丁目方向に向かってくれ」

男2「承知しました」


女「あの」

男1「なんですか?」

女「お仕事は何をされてるんですか?」

男1「ああ、主に企業向けにOA機器の営業をしております」

女「あら、それは大変な仕事ですね」

男1「いやいや、それほどでも…山田さんはお仕事は何を?」

女「恥ずかしながら今は定職についてないんですが…」

男1「ああ、家事手伝いとかそんな感じですか?」

女「最近はもっぱら性別が女であることを活かして食いつないでおります」

男1「いやいや、怖い怖い!どういうこと?」

男2「お客様」

男2、振り返る

男2「本タクシーは、女性の飲食代を男性が負担する仕組みになっております。山田様がおっしゃってるのはそういうことかと」

男1「えっ、ああ、そういうこと?びっくりした…ってそっちにおいてある食べ終わった弁当やらお菓子やらは俺が払うってこと?」

男2「世にある相席ナニガシはだいたいそういうシステムかと存じます」

男1「確かにそうだけどさ…そういうのは最初に説明してくれよ。別のタクシーにしようかな…」

男2「申し訳ございません…ちなみに本日は多種多様なイベントが重なっているため、他のタクシーを捕まえるのは大変困難かと…」

男1「ああ、だからタクシー全然通らなかったのか…とりあえずこのまま乗るから前を向いてください」

男2「承知しました」


車内に沈黙が流れる

男2「お客様」

男1「なんですか?」

男2「こういう時は男性が会話をリードされるのがよろしいかと思います」

男1「…まあ、このまま黙ってるのも気まずいしな。じゃあ、山田さんはまわりから普段何て呼ばれてるんですか?」

女「うーん、尚子とかナオちゃんとかが多いですね。渡辺さんは?」

男1「俺はもう、ナベちゃん一択ですね」

女「ああ、私のお友だちの渡辺さんもそう呼ばれてます」

男1「渡辺あるあるですね…それから、何か趣味とかあります?休みの日にすることとか」

女「あんまり体動かすの得意じゃないので休日はもっぱらアニメ鑑賞です」

男1「あっ、私もアニメ好きですよ。ちなみにどんな…」

男2、後ろ振り向いて男1のセリフに被せるように

男2「えー!ナオちゃんもナベちゃんもアニメ見る人なの?何見るの?ねぇ、何見るの?」

男1「前を向けー!あと趣味が一緒だからって、急に距離を詰めてくるな!」

男2「大変失礼致しました」

男1「ったく、何なんだよ!…あっ、この辺でいいです。停めてください」

男2「かしこまりました」

男1「じゃあ山田さん、私はこれで…」

女「あの」

男1「えっ?」

女「私、渡辺さんのことすごく気に入りました!もし良かったら連絡先を交換してもらえませんか?」

男1「ええっ?本当ですか?別にいいですけど…」

男1と女、スマホを取り出し連絡先を交換する

男2「おめでとうございます!」

男1「わっ、びっくりした!何ですか、急に」

男2「当タクシーでは、連絡先を交換できた場合タクシー代が無料となっております」

男1「ええっ?何か色々ラッキーだな…じゃあ山田さん、後程連絡しますので!」

男1、車を降りようとする

男2「お客様」

男1「今度は何ですか?」

男2「タクシー代は確かに無料になりますが、山田様の飲食代3500円は別途いただきます」

男1「いや、そっちは金とるのかよ!」













評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ