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たとえばこんな物語  作者: にじいろけだま
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歩いた先にあうものは

 しばらく歩いていくと、音がする。

 ドドドという音が響く。

 こずちゃんが音のするほうに歩いていくと、川があった。

 茶色く濁った川が、勢いよく流れていた。

「すごい勢い……って橋が!」

 道の先には橋があり、橋は押し流されていた。

 こずちゃんはポケットからカードを出して魔法を唱える、


――言葉よ、言葉、言の葉よ

  茶色く濁るこの川を

  ぴょんと飛び越えられるよう

  私に力をくださいね


 こずちゃんが魔法を使うと、カードが傘に変わっていく。

 大きいサイズの折り畳みの傘が、こずちゃんの手に現れた。


「これで飛び越えれば良いのね」

 こずちゃんは傘を開いてジャンプする。

 ぴょんとジャンプしたその瞬間、風が吹いた。

 強い風が吹き、こずちゃんを傘ごと空に飛ばす。

「うわーすごーい。私、今飛んでるんだ!風さんありがとう!」

「どういたしまして」

 風と一緒に空を舞うこずちゃんに、誰かが話しかける。

 きょろきょろと周囲を見ると、近くの目と口が現れた。

「やあ。僕はツムジ」

「こんにちは。ツムジさん。私こずちゃん」

 挨拶を交わすこずちゃんとツムジ。

「ツムジさん。このまま運んでってくれる?」

「んー。適当なとこでおろすよ」

「どうして?届け物の先まで運んでくれても良いのに」

「僕は風だからね。風の向くまま気の向くままに。明日は明日の風が吹くってね」


 ツムジは橋から離れた道にこずちゃんをおろすと、そのまま行ってしまった。

「ちぇー。でもまいっか。そよ風が気持ちいいもん」

 そよ風を受けて、またこずちゃんは歩き出す。


 しばらくこずえちゃんが歩いていくと、犬が倒れていた。

 足をくじいているのか、ぐったりとして気を失っている。

 その様子を見てこずちゃんはカードをかざす。


――言葉よ、言葉、言の葉よ

  足をくじいたこの犬の

  歩けるようになるために

  力を貸してくださいね


 空から包帯と塗り薬が落ちてきた。

「えーここは魔法で回復でしょー?」


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