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たとえばこんな物語  作者: にじいろけだま
2/13

蔵の中で探し物

 神社の境内を母と手をつないで歩くこずちゃん。

 午後のうららかな日差しの下、鳥居にとまった鳥のさえずりが聞こえる。

 鎮守の森が風にさざめく。

 緑に囲まれた神社の中を歩き、母とこずちゃんは蔵に到着する。


「えーと、石はっと」

「石?どのくらいのおっきいの?」

「探してるのはね、こずちゃんの肩幅ぐらいの白くて平たい石三つ」

「なら私あっちさがすー」

「下手に触ると、積んであるものが崩れてくるから。一緒にいようね」

「はーい」

 唇を尖らせ、母の言うことを聞くこずちゃん。


「あら、電話だわ」

 あちこち探していると、母のバッグから携帯電話が鳴った。


「すぐ戻るから、ここにいてね」

「はーい」

 母は電話に出て、外に向かい歩いていく。


「ヒマー」

 母が電話に出ている間、こずちゃんは長持に座り、足をぶらぶらさせる。

 ふと見ると長持の上に本がある。

「なんだろ?絵本かな?絵本だと良いな」

 こずちゃんは本に手を伸ばす。

 そして本をめくるこずちゃん。

「字がいっぱいだ……」

 字がびっしりと書かれた本を見て。顔をしかめるこずちゃん。

「この紙なんだろ?」

 本に挟まっている、魔法陣が書かれた紙を手に取るこずちゃん。

 こずちゃんがその紙を青空にかざすと、紙が輝きだした。


 ★


 こずちゃんが気づくと、霧の中にいた。

 広い空間にポツンと一人でいるこずちゃん。

「ここどこー?お母さーん」

 こずちゃんは母を呼ぶ。

 声はあたりに木霊する。

「おや、お客さんかい?」

 誰かの声がする。

 こずちゃんは周囲を見渡す。

 近くには一本の木があるだけだった・

「だれか後ろにいるのかな?」

「くすぐったいなあ」

 こずちゃんが木に手を当てて、後ろに回ろうとすると、木が話し出した。

 よく見ると、気には目と口がついていた。

「しゃべった!」

「そりゃあしゃべるさ。ここは異世界なんだから」


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