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たとえばこんな物語  作者: にじいろけだま
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祭りの様子とそのあとに

 お祭りの準備は着々と進んでいく。

 こずちゃんは巫女服に着替え、境内の掃き掃除をする。

 いつもなら箒を履く音で気を少しは紛らわせることができた。

 ここ最近は、いろんな人が集まり話し声で書きかけされてしまう。

 父も母もお祭りの準備の人たちと一緒に忙しそうに見える。

 息を吸って吐くこずちゃん。

 こずちゃんは、肩が持ち上がるぐらいにゆっくり息を吸う。

 そのあと、細く長くゆっくり息を吐くこずちゃん。

(お父さんもお母さんもゆっくり息をするのもきぶんてんかんのひとつだって)

 こずちゃんはゆっくりと深呼吸を繰り返し、掃き掃除を続ける。

「よっしゃ。ワイらも手伝うで」

 話し合いが終わったのか、大人の人たちが箒を持ってやってきた。

「ありがとー叔父さん」

 お礼を言うこずちゃん。

 全員で取り掛かったおかげか、境内は綺麗になっていった。


 お祭りが開催される。

「そういえば。あの石って何に使うの」

「北東において厄除けに使うんだって」

 こずちゃんの質問に答える母。

 今日は授与所でお守りや破魔矢、絵馬などを売る人のお手伝いをしている。

「お守りください。家内安全のやつ」

「こっちは健康祈願のをふたつ」

「絵馬かける場所ってどこ?」

「おみくじって持って帰って良いの?」

 授与所にはいろんな人たちが訪れる。

 売り子が絵馬の場所、おみくじを結ぶ場所を参拝客に伝える。

 参拝していく人の姿もある。

 訪れた人が、お賽銭をいれ、手をたたいてお辞儀していた。

 こずちゃんは売り子さんから受け取ったお金を種類ごとに箱に入れていた。

 てんてこまいな時間が過ぎて、お祭りは終えた。


 お祭りが終わって後片付けが始まり、ロープが外され提灯を外す。

 叔父は最初は右巻き、次は左巻きにと、手首を使ってロープを交互に巻き取る。

 その巻き方をふしぎに思い、こずちゃんは叔父に質問する。

「これはやな八の字巻きと言って、次使うときはスッと伸ばせる巻き方なんやで」

 叔父さんはこずちゃんを呼び寄せ、しゃがみ、こずちゃんの前でやって見せた。


 父はロープを入れた段ボールを持ち、こずちゃんと一緒に蔵に向かう。

 鍵を外し、蔵の扉を開けるこずちゃん。

「ありがとう、こずちゃん。助かったよ」

 ロープの入った段ボールを抱えている父はこずちゃんにお礼を言う。

「それはそうと長持に座ったり横になったりすると、長持が痛むから気をつけてね」

「はーい。あの時はふしぎな夢を見てたよ」

 こずちゃんは夢の内容を父に話して、蔵を出ていく。

(そう言えば、神社の山犬の像に包帯が彫り込んであったな……前からだっけ?)

 こずちゃんの話をきいて、父は首を傾げて、蔵の扉を閉めた。


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