こずちゃんを呼ぶお母さん
「うーん……」
こずちゃんは空間のひずみの前で考る。
(おなかすいたし、お母さんの美味しいおやつ食べたいなあ)
ジョーと扉の外を見る。
(この世界に残ってカード使ったりお花さんと会話したり歌ったりも楽しそう)
悩むこずちゃん。
――……ちゃん
誰かの声がこずちゃんの耳に届く。
――……ちゃん。こずちゃん。
「この声はお母さん!」
こずちゃんは決意する。
「私帰るね」
「決めたのか」
「うん。お母さんの読んでる声が聞こえたの!だから帰るの!」
「そうか。気をつけて帰るんだぞ」
元気に話すこずちゃんに、しっかり答えるジョー。
「あ、リュックどうしよう」
「背に乗っけろ。俺がレンのところに届けえてやるよ」
「ありがとう、ジョーさん」
「カードもツムジが集めてるって、風の便りが届いたぜ」
「ツムジさん……」
お礼を言いに、外に出ようとするこずちゃん。
「おっと。帰るんだろ。だったらひずみだ」
体を張って、呼び止めるジョー。
「ツムジには俺から、伝えとくよ」
「ジョーさん。ありがとう。カガミさんやランさんやセージさんにもよろしくって」
「ああ分かった。元気でな」
こずちゃんはジョーと挨拶を交わし、手を振ってひずみの中に入っていった。
★
「こずちゃん、こずちゃん」
「……お母さん?」
「おはよう、こずちゃん」
「あれ?私、寝てた?」
「ええ。ぐっすり」
こずちゃんが体を起こす。
椅子にいる母の膝枕から起きる。
「どんな夢、見てたの?」
目をこすっているこずちゃんに、母は優しく問いかけた。




