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たとえばこんな物語  作者: にじいろけだま
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食べる前にやることは




「こずちゃん。そろそろお昼にするわよ」

「はーい、お母さん」

 こずちゃんと呼ばれた少女は母のもとに向かう。

「お母さん、悲しいな」

「どうしたの、お母さん」

「だってこずえちゃんが、遊んでたままなんだもの」

「すぐ片付けするね」

「そうね。その間にお父さんも帰ってくると思うわ」

「今朝、地鎮祭があったからね」

「じちんさい?」

「神様にここに家を建てますよって連絡することよ」

 こずちゃんがおもちゃを箱に片付けていく。箱には小梢恵と書かれてあった。


「ただいま」

 片づけを終えて、ダイニングに向かうと父が帰ってきた。

「おかえりなさい、お父さん」

「ただいま、こずちゃん」

「今からお昼だよ。今お母さんがパンケーキ焼いてるの」

「なら一緒に行こうか」

 父はこずえをひょいと抱きかかえ、キッチンに向かう。

 いつもより高い視点でこずえは嬉しそうに周囲を見る。

「おかえりなさい。もうすぐできますよ」

「ただいま。手伝うよ」

 父は母と挨拶を交わし、手を洗いうがいをする。

 こずちゃんも後に続く。

「私もお手伝いするー!」

「なら、みんなで準備しようか」

 叫ぶこずちゃんに答える母。


「ごちそうさまでした」

 いただきますをして、食事をして食べ終えて挨拶するこずちゃん。

「この後は清祓いがあるから、また出かけてくるよ」

 父は食器を洗い終えて、出かける準備をする。

「もう行っちゃうの?」

「ああ。なるべく早く帰ってくるからね」

 寂しそうに言うこずちゃんの頭をなでる父。

「今度のお祭りの準備、しておきますからね」

「ありがとう。助かるよ」

「私もお手伝いするー!」

「そうね。なら後でお母さんと一緒に蔵に行こうか」

「わーい!」

 父は母とこずちゃんの様子を、温かい目で見ていた。

「それじゃ、行ってくるね」

「行ってらっしゃい、お父さん」

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