✒ 大航海 5
セロとの夕食を済ませたオレは、キッチンで明日の朝食と昼食の仕込みをしている。
セロには美味しい料理を食べてもらいたいから、幾らでも頑張れる。
セロの作る料理の方が、オレより断然美味くて、天と地底ぐらいの差があるんだけどな……。
マオ
「 ──ふぅ……、仕込み終了〜〜〜。
今夜はもう寝よっと… 」
オレはキッチンを出ると寝室兼居間を通って船内を出た。
セロはやっぱり読書をしていた。
マオ
「 セロ──。
オレ、寝るよ。
セロは寝ない……んだよな? 」
セロフィート
「 おやすみ、マオ。
ワタシは睡眠を必要としませんからね 」
マオ
「 そうだよな… 」
セロフィート
「 どうしました? 」
マオ
「 ……航海に出てから1週間も経つんだけど… 」
セロフィート
「 そうですね。
それが何です? 」
マオ
「 …………オレ、ずっと1人で寝てるんだけど… 」
セロフィート
「 はい? 」
マオ
「 いや…『 はい? 』じゃ、なくてさ……。
そろそろ “ 一緒に寝たい ” って言ってんの! 」
セロフィート
「 ははぁ…。
1人で寝るのが怖いです? 」
マオ
「 違う!
分かってるくせに知らないフリするなよ(////) 」
セロフィート
「 ふふふ…。
マオから誘ってくれるのを待ってました♪ 」
マオ
「 待たなくていいだろ… 」
セロフィート
「 折角ですけど、今夜も1人で寝てください 」
マオ
「 えぇ〜〜……。
何でだよ?!
誘ったのに断るのかよ… 」
セロフィート
「 どうせなら、お風呂上がりのバスローブ姿で誘ってください。
あぁ…上目遣いに瞳を潤ませながら、懇願するように── 」
マオ
「 何でだよ!
馬鹿っ!!(////)
もう、いいよ!
大陸に着く迄1人で寝るよ!! 」
セロフィート
「 はいはい。
有言実行出来ると良いですね。
ふふふ… 」
マオ
「 ムカつく… 」
セロフィート
「 お休みなさい、マオ 」
セロはニコッと笑顔をオレに向けながら、手を振っている。
マオ
「 オレより読書が大事なのかよ! 」
捨て台詞をセロに吐いたオレは、船内に戻って1人で寝る事にした。
別に……人肌が恋しいわけじゃない。
セロには人間のように体温なんて無いから、身体を触っても温もりなんて感じないし……。
ただ…一寸……甘えたかっただけなんだ……。
ルームシューズを脱いだオレは、ベッドにも使えるクッションの上に寝転がるとタオルケットにくるまった。
2人用のクッションの上で1人で寝るなんて……、あんまりだろ?