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17枚目
「もうボクを心配させないで、って言いましたよね。なんで守ってくれないんですか?」
「そ、それは……」
ギャラハットがナイフを俺の胸元になぞっていく。恐怖で考える頭も回らず、言い訳を言う余裕すらなかった。
「……もしかして。ボクのこと、嫌いなんですか?」
ギャラハットのナイフを握る力が強くなる。俺をみる目が、怒りから悲しんでいるように見えた。
「き、嫌いじゃない」
「じゃあなんでボクを避けるんですか!!」
俺の左頬に何かがかする。恐る恐る手を近づけると、やはり血がついていた。それを見てもギャラハットはうなだれ、ぶつぶつと捕らわれたように呟いていく。
「ボクはずっと待っていたのに……あなたは、あなたという人は……」
「ギャラハット……」
なぐさめようと手を呼ばすとギャラハットは俺の手を振り払い、ナイフを握り直して口を開く。
「アイライトくんはボクだけの物なのに!」