12枚目
去年書いたサイコホラー小説主人公とのコラボです①
2019.8.4
ふと真夜中に目が覚める。以前までは早く寝たいと思っていたのが、今は嬉しささえ感じられる。ろくでもない生活習慣でも、俺にとってはハッピーだ。
先日ギャラハットに心配させるなと言われて一週間。俺はこれまでの間、孤児院を抜け出せないかと考えていた。
もちろん孤児院が嫌いな訳ではない。ちょっと外に行きたいだけだ。というか高カロリーな物を食べたい、という欲求でこの考えを編み出したのだ。
「……そもそも、ギャラハットの奴が悪いんだ」
そう、最近のギャラハットは少しおかしかった。気が狂ったりはしなかったけど、本性らしきものを表してからやけに豪華な料理を作るようになった。どれも全て平らげたが、何か裏がありそうで怖い。
「行くか……」
小声で呟き、息を殺してなるべく音を立てないように階段を降りる。ベッドの布団のなかに枕やクッションを入れたので、しばらくは大丈夫だろう。
はやる気持ちを抑えながら、俺はモックへと急いだ。
「いらっしゃいませー」
徒歩でモックに着く。モックというのは、ポテトやバーガーなどで有名なあの店だ。店員が女性なのが緊張するが、これもトラウマ克服のためである。
「だ、ダブルチーズバーガーと、コーラください……」
「かしこまりましたー」
良かった、なんとか噛まずに言えた。席に座ってお待ち下さいと言われたので、とりあえずテーブルと椅子が並んである場所に行く。
「おいし、い……」
最初は何かの見間違いかと思った。しかし、よく考えてみるとこれは現実だ。白髪で黒いパーカーを着た俺より年下の子供が、大量のポテトとバーガーを注文して食べている。
……世界の広さを実感した瞬間である。




