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声を拾って  作者:
59/60

59.

あれから、3年が経過しました。

水の精霊である、翠は健やかに成長しています。

ぼんやりとしながら、水神様は、翠というまだ生まれたての水の精霊の子を見つめます。

彼女の傍にいつもあるのは透明な音です。

水神様は、その音に耳をすませて、ある神話を思い返していました。

まだ小さな小さな生まれたての子に聞かせるように子守唄を歌いながら。


**


あのね、知ってる?このお話を。

ちっちゃなちっちゃなこのお話を。

知らない?知らないなら教えてあげるよ。キャンディみたいなチョコレートよりも甘いこのお話を。


透明な音を知っている?

知らない?知らないなら教えてあげるよ。涙の味みたいな切ない音を。チョコレートよりもほんのり苦いこの音を。


**


甘酸っぱい恋のお話。ちっちゃなちっちゃな恋のお話。

足をくじいた精霊が

ひょんなことで心を奪われたのは

みすぼらしい人間の冷たい目の男の子。


足をくじいた精霊が

ひょんなことで涙をしたのは

心を傷つけた傷だらけの哀しい男の子。


足をくじいた精霊が

ほんのり優しくなったのは

傷だらけのその子が、透明な音を知っていたから


足をくじいた精霊が

ほんのり嬉しくなったのは

傷だらけのその子が、彼女の治療、懸命にしてくれたから


**


ねぇ、知ってる?知ってる?知らないの?

知らないのなら教えてあげるよ。

甘酸っぱい恋のお話。

ずっとすれ違いの

でも大切な

キャンディよりも大切な

恋のお話。


**



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