49.
ランプの温かい明かりの中、俺は、水玉の子たちと唯、小鬼を囲んで地図を見比べていた。
唯が持ち寄ってくれた少し荒い感じのするパンの上に火にあぶったチーズを乗せて、かじるとジワリとチーズのうまみが口の中にしみる。唯と小鬼たちは、塩漬けにした肉とあぶったチーズを酒のつまみにして盛大に酒をあおっている。
小鬼は早々に赤く酔いも大分回っているようだが、唯は顔色すら変化がない。
どうやら、唯の方が小鬼よりも酒が強いらしい。……というか、こいつら飲みすぎだ。一升は既に空で、唯はうわばみだな。と俺はちらりと見て思う。反応が怖いので口には出さないが。
俺は、唯が煮溶かしてくれたコーンとチーズとミルクのシチューを口にする。うん。このシチューも冷えたからだには嬉しい。俺は、こちらの世界では身体が馴染めずすぐにぶっ倒れてしまう為、ずっと水玉のこたちの水の膜の結界で守ってもらっていたが、唯がそれを聞くと眉をしかめて、虚弱体質めと罵られながら、薬だという軟膏のようなものを身体の露出した箇所(肩や腕など)に塗ってくれた。こちらの世界の毒気は、主に心臓など内臓あたり、のどのあたりと(何故か脳は含まれない)部分的に作用するため、それを和らげる薬を塗ればぶっ倒れることはなくなるだろうという。
俺は素直に唯の知識に関心した。
特に目鼻のあたりにはよく塗っておけと言われている。何か意味があるのだろう。
ぱちぱちと火が跳ねる音がする。
俺は水の精の洞窟に帰ろうと唯を誘ったのだが、水玉の子たちは、主様の部屋に別の女の人を!って怒るし、唯は、目を吊り上げて、ぎっとにらみつけてきたので、その線はなくなった。
今は唯が持ち込んだ簡易テントの傍で焚火をして暖を取りながら食事をし、地図を見ている。
俺はこの世界のことをほぼ何も知らないといってもよいので、呆れた唯が小鬼を巻き込んで教師役となってくれているのだ。
俺、唯に会ってから、何かと世話になってばかりだ。これでよいのだろうかとちょっとへこむ。




