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32.
時間軸をあの頃に戻そう。
俺は、優美に唯のことを尋ねられて、急に具合が悪くなってしまい、蹲っているところで、優美が消えたことに気づいた優美のおばさんが優美を探している声を聞いて、慌てて優美は裏から出て行った。
俺は、気持ち悪くなったまま、行き成り押し寄せてきた、知らない記憶に戸惑っていた。
やはり、昨夜感じた違和感に意味があるのではないか。そんな風にも思えた。
よみがえった記憶の中の俺は、まだ5歳で、優美は4歳。妹で、唯という子に連れられて洞窟まで向かった。そこで事故に会い、気づいた時には、俺と優美は草原で寝ていた。
昨夜の父さんの言葉も気になっていた。
祖母が居なくなったのだというが、俺がたった今思い出した記憶の中では、祖母は既に亡くなってしまっていた。
……俺は頭がおかしくなってしまったのか……
今の俺の記憶もきちんとある。俺は今15歳で、どのように年月を経てきたのかもきちんと説明が出来る。
……本当にそうか?と俺の中が尋ねる。
”その記憶は本当に正しいのか?”
ふらりと目の前が揺れるような気がした。どうかしている。頭がおかしくなりそうだ。
俺は真っ青な顔で頭を振るとのろのろと通学の準備を始めた。
このまま一人で鬱々と悩んでいたら、本当におかしくなりそうだったからだ。




