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声を拾って  作者:
32/60

31.

表情筋、というものがあるだろう。俺は、自分の記憶の矛盾と戦い続ける過程で、精神共に疲弊してしまって、表情、というものがわからなくなった。

感情と表情が結びつかなくなってしまったと言い換えても良い。

微細な表情を表現することが出来なくなった。

何故そうなってしまったのか、俺なりに解釈すると、俺は自分の過去の記憶と自分の感情に何も感情を伴わなくなってしまったのだ。

感情が自分のものではない気がするから、考えなければ自らの感情を表情として表出出来なくなった。

笑ったり、泣いたり、怒ったり、それらは、一時の感情のみで表出されているとすると俺から言わせればそうではない。今までの積み重ねの年月の中で、自分にとって何が不快か何が嬉しいかを自らの価値観とすり合わせて俺という人間が形成されるから初めて、感情として、それらを判断することが出来るようになるのだ。俺は、自らの過去がばらばらだった。今、現実の時間軸の俺が、時折、思い出した過去は今の過去ではない。そんなことが日常茶飯事なのだ。壊れない方がおかしいと俺は思う。そして俺は、どうやら、おかしい方の人間だったらしい。壊れることなく、矛盾に疲弊する程度だった。

表情がうまく作れないのにはそれなりに苦労したけれど、それ以外は俺はうまくやれていたのだと思う。

初め混乱した、優美との関係性も、妹みたいな幼馴染という関係性に落ち着いた。



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