26.
……ここまでが、俺がやっと最近になって思い出すことが出来た、唯との最後だ。
正確には、妹と俺は、唯とその日出かけた事実を忘れていた。
俺は、目が覚めると、妹とともに、どこともしらない草原に寝かされていた。
あの日の空と光景は、今でもくっきりと思い描くことが出来る。
稲穂のように揺れるススキの穂。
あたりは、金色の夕焼けに染まり、
全てが金色にみえた。
俺は景色に見ほれたあと、妹をなんとか起こして、どのような経緯で家にたどりついたのか覚えていないが、家に帰りついた頃には、すっかり辺りは暗くなってしまっていた。
玄関前には、母が泣きそうな顔で立っており、俺が唯の手を引きながら帰ってくるのを目にすると、妹の傍に駆け寄り抱きしめて泣き続けた。
俺は手持無沙汰になってしまって、そのまま一人玄関へと向かう。
ふと、玄関傍の鏡を見ると、驚愕で目を見開いた。
自分の頭がおかしくなったのかと思った。
今まで小さかった自分が、大きくなっており、(成長したような姿で)鏡の前に映ったのだ。
先程まで俺は5歳の子供だった……はずで……?あれ、そうだったよな?そうだったはずだ。
妹は俺よりも1歳下で……?妹……?俺に妹がいたっけ
……ああ、馬鹿だな俺は。隣の家の優美のことを妹だなんて思いこむなんてさ。
俺のかあさんは、もうずっと前に亡くなっているし、優美のおばさんがお母さんと一瞬でも思うなんて、俺はどうかしていたな。
優美とは、10歳も離れているのにさ




