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声を拾って  作者:
24/60

23.「病気がちな母」

祖母とは対照的に、俺とは接触が非常に希薄だった存在が、病気がちな母だった。

俺は、何故か母から嫌われていて、傍によると非常に嫌がられた。

普通、子供は母親に邪険にされると悲しんだり、苦しんだり、悩んだりしそうだが、俺は、もしかしたら感性が異質なのかもしれない。全く悩んではいなかった。

父は、母が初婚だが、母は、二度目の結婚で、前夫の子どもを連れていた。

僕の妹は、母にも当然懐いていたが、俺には異様な懐きっぷりで、なにをするにも俺のあとをついてまわるような子だった。将来はお兄ちゃんとけっこんする!と大真面目に4歳の妹にプロポーズされたときには、思わず、わかった!と答えたこともある幼い俺は、今考えると洒落にならない。

母親に邪険にされ、海外赴任ばかりで殆ど家に居ない父。母は俺に冷たく、妹は俺にとって大切な理解者だったのだと今思う。

俺は、妹と唯どちらかしか守れない状況ならば、迷わず妹を選ぶくらいには、妹は俺が守ってやるのだと幼いながらに思っていた。


……だからこその、「あの」悲劇が起こるのだが。

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