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声を拾って  作者:
19/60

18.

僕をこちらに連れてきてくださったころ、あちら……こちらの方は人の世と呼んでらっしゃるのですよね?人の世では、朝の7時でした。僕は腕時計にアラームをセットしているので、時間は正確です」

もう癖になっているこの習慣がまた役にたつとは思ってもみませんでしたが……と自嘲気味にそういうと青年は話を続けました。


「この腕時計は、西暦と日付まで時間以外に表示されるようになっているんです」


デジタルの数字が表示されている腕時計を私は見つめてはいますが、青年が何をおっしゃりたいのかよくわからず、それでもじっと聞いていると、青年は丁寧な口調で続けました。


「僕が、人の世から精霊の世界に転送された日は、2017年10月10日 朝7時 で、間違いない筈なのですが、精霊の世界に到着してみると、腕時計の時間は、2007年10月10日夜19時となってしまっていました。最初は、この時計が壊れてしまったのだと思っていたのですが……その後小鬼の方からのお話から推測して、……僕が、唯という子とこちらの世界に初めて来たのは、今から10年前と小鬼さんはおっしゃいましたが、僕の記憶とは食い違っているのですが、小鬼さんの話されたことの方が真実だとすると、おかしいことになるのです。なぜなら唯が僕のせいで消えたのは僕の記憶では今から20年前なのです。僕は、今、25なのですが、20年前、僕と唯はまだ5歳でした。小鬼さんの言葉を信じるのならば、僕は、来れるはずのない過去に来ていることになります。

そして、神父さんのお話をしてくださいましたよね。確か、精霊さんは、何千年も前に精霊の世界からとび出したと仰っていましたが……、何千年も前に、英国の方が現代風の和食を精霊さんに教えられるはずが無いんです。何千年も前に現代のような和食が確立されているはずがないからです。

どんなに古くとも明治以降ではないかと僕は思います。この話を総合すると、僕は、過去の時間軸に、精霊さんは未来の時間軸に渡っていると考えるとしっくりくるんです」


この精霊の門は、もしかしたら、精霊の門という以外にも何か秘密があるのかもしれません……と。



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