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私は紙だ。  作者: とっすぃ
4/7

お見舞い大作戦

まず言っておこう。このラブコメはものすごくベタである。おそらく博士は主人公に恋するとメガネからコンタクトに変わるだろうしシャロと主人公の再開にいたってはトーストをかじりながら登校し角でぶつかり合い主人公がラッキースケベを起こしシャロにブン殴られる。主人公にとっては最悪の印象から物語がスタートするそんな感じだ。

何が言いたいっかてこんなベタベタな展開しか思い浮かばない作者の考える事なんてお見通しだってこと!

つまり今回の話はお見合いを言い渡されたシャロが主人公と付き合っている設定にしてお見合いを破綻させようって話だ!

そこで私は考えた。私が主人公の役を乗っ取ってやろうと!


私は2次元になったからには成し遂げたい夢がある。それはこの2次元でハーレムを作る事だ!私はどうやらこのマンガから出る事ができない。ならマンガ内でハーレムを作るしかない。そのためにはまずシャロを攻略するのだ!



「えっとね、パパ!私ね、結婚を前提に付き合っている人がいるの。だから今回のお見合いの話はお断りしてくれないかな?」


「ほう!どんな奴だ。紹介してくれないか」


「今ね、ここに呼んでるの。」


「お待たせぇ〜〜!!」


シャロは太陽のような笑顔を振りまきながら振り返った。


「待たせたね♪ハニー。お義父さん僕は娘さんいや、シャーロットさんとお付き合いさせていただいている羽黒とんぼと申します!」


太陽のような笑顔を振りまいていたシャロが一瞬にして夕立ち前の雲のようなオーラに変わった。



ところ変わってここは橘家

橘吟醸。シャーロットの父親だ。父親は厳格な日本人。母ミレイユ・エリザベス・橘は仕事のためイギリスにいる。よってこの家にいるのは吟醸さん、シャーロット、そして私の3人だ。


「お義父さん今日はお土産をお持ちしました。」


「ほう!ルワンジュのチョコレートか、なかなか見る目があるじゃないか♪おい、シャロせっかくだからいただこうじゃないかお皿を持って来てくれ。」

お皿を持って来たシャロはにこやかな表情で私の隣の椅子に座った。

ぐりっ

お約束。足を踏み付けつつシャロは私に小声で文句を言ってきた。


〔なんで、あんたがいんの?【主人公】は?〕

〔あぁ、あいつは体調を崩したとかで俺が代役だ。ありがたく思えよ!〕

〔はぁ!?〕そんな表情を父親にバレないように一瞬浮かべフォークを私の太ももに刺した。

〔あのなコレは肉に刺すもんだからイギリスでもそうだろう?〕

〔はぁ?肉じゃん!〕

ごもっとも。2次元だからいいもののコイツは。

〔まあまあ、とりあえず仲良くしよう。お見合いを破綻させたいんだろ。高級なウイスキーボンボンだ。とりあえず食べろよ〕

〔しょうがないわね〕





「羽黒ォ〜!ねぇ聞いてるの羽黒ォ〜!私はねぇ〜イギリスと日本のハーフなの。」


「知ってるよ!」


「あ、知ってた??あはははは、知ってた。ら」

シャロは上機嫌に私の背中をバンバン叩く。予想通りウイスキーボンボンで酔っぱらってもうへべれけだ。まったくこのマンガはチョロいぜ!


「羽黒くん!!」

突然シャロの父親が立ち上がった。


「娘が欲しければ私の屍を越えていけ!」

いや!お義父さんなんで産まれたての子鹿みたいに内股でプルプル震えてるの?まさか!私はお義父さんにデコピンしてみた。

するとお義父さんは膝から倒れた。いやいややっぱこのマンガの作者アホだろー!!なんでヒロインの父までウイスキーボンボンで酔っ払うんだよ!


「やられたぁ〜〜!!娘は気立ての良い子です。暖かい家庭を築いてくれ、、、、、、オォーーーンンンンンンン!!!!!」

しまいには泣き出したよコイツ。マックのMのような放物線を描き飛んでくる涙を傘で受けながらお義父さんをさすっていると後ろからシャロが抱きついてきた。


「ねぇ〜。私たちはぁ〜結婚するの?」

私はドキっとした。紙とはいえ女性に猫撫で声で抱きつかれ共通感覚を刺激されたのだろう。振り向くとシャロの顔がすぐ近くにある。

「シャーロット。目をつぶって。」


「へ、なんれ??」

そう言いながらもシャロは素直に目を閉じた。シャーロットは落ちたも同然。勢いに任せてキスしようとした。

ガチャ

「あれ羽黒とシャロ?なんだお前ら抱き合ったりして仲良いな!」


「え、【主人公】??って羽黒?っていやぁあ〜〜!!」

シャロは俺を引き剥がしぶっ飛ばしたしかし酔っているからかいつものような怪力はです。私は【主人公】の足元まで飛ばされた。すると【主人公】はしゃがみ込み私の耳元で囁いた。

〔入ってくるタイミング悪かったな!俺はおいとまするわ。〕

そうコイツは鈍感である。それでいて友達思いでトンチンカンである。【主人公】は私とシャロが友達以上恋人未満と勘違いしているのである。それでいってさっとこの場を去ったのだ。

シャロは真っ赤になって【主人公】を追いかけた。が、倒れている私に足を取られコケた。


「あれ?【主人公】ちゃんもう帰るの?」

シャロのお母さんの声だ。こちらにむかっている

「あれシャロちゃんだあれその子??」


「マ、ママ!え、あ、コレは違うの!!」

シャロが私の上に馬乗りになって見つめ合っているところをシャロの母親に見られた。


「ミレイユ。シャロの婚約者の羽黒とんぼ君だそうだ。、、、、、オォーーーンンンンンンン!!!!!」

また泣き出したよこの親父。

「あらあら、【主人公】ちゃんだけでなく婚約者までいたなんてシャロちゃんもお盛んね♪」


「違うのママ、コレはね!」


「あらあらそんの顔を真っ赤にしちゃってわかってるって♪」

そうか、シャロのお母さんはあらあらウフフと空気が読めない系のキャラか。


「〔アンタちょっといい!〕パパ、ママちょっと羽黒くんとお話があるから部屋に行くね」


この後私がいったいどうなったかは言うまでもあるまい。ドカドカと激しく音と共にシャロの家が揺れる。あぁきっと下の階では「あらあらお盛んね♪」とか「オォーーーンンンンンンン!!!!!」とか泣いてたりするのだろうか走馬灯のようなものが走りシャロの制裁が永遠と続いた。






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