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文系男子の処世術  作者: Kudryavka
4/5

第4話

放課後の校舎は案外人が少ない。

自分の廊下を歩く足音がいやにはっきりと聞こえる。


歩いているのは、校舎の3階、社会科職員室の辺り。俺の目的地は、その少し先にあった。


少し古い印象を与えるスライドドア。部屋の外に掲げられた表札には、達筆な字で 『 討論部 』と書かれている。


「ふぅー、よし」

深く息を吸い呼吸を整える。

そして、意を決してドアを開ける。


ガラッ

「おっ、久しぶりー、志賀」

「ガッシー 、おっそーい」

「あぁ、悪かった」

中に居たのは、

メガネをかっこよくつけたチャラいイケメン。

かたや、明るい髪色と少し着崩した制服がいい感じのゆるふわ女子だった。


メガネのイケメンは 小泉 航 。俺と同じ2年の生徒だ。こいつは、俺と違い理系のクラスなのだが、去年は同じクラスだった。茶髪のチャラい見た目でコミュ力もなかなかのものなので、交友関係も広い。学年のほぼ全ての生徒から、「ズミさん」の愛称で呼ばれているほどだ。


もう一人の女子は 乙矢 深月 。亜麻色の髪はセミロングの長さ、左手の手首にはオレンジ色のシュシュ、校則より少し短いくらいのスカート、見た目はイマドキ女子高生って感じである。

こいつは俺と一緒の文系クラスだったはずだ。


2人とも、そしてこの俺も、この部室を使用する部活動の部員である。


「そういえばアイツはまだなのか?」

「あー、ぞれちゃん?なんか職員室で捕まっちゃったみたい。もう少しで来ると思うよ。」

俺の問いかけに乙矢が答える。


「呼び出した本人が遅刻とはな…」


ガラッ


俺のつぶやきに合わせたかのように、部室のドアが開く。


「あら、遅くなって悪かったわ。あなたはきっと早く帰ってテレビでも見たかったのでしょう?なにを見るのかしらね?『おかあさんといっしよ』?」

「 ………… 」


相変わらず失礼なやつだな。謝れよな、教育テレビとそれをみて笑顔になつた全国のちびっこたちに。


透き通るような声によって放たれた最大限の皮肉と共に現われたのは、もう1人の女子。

綺麗なロングの黒髪とモデルのような顔立ちやスタイルを併せ持つ。突き放したような言葉でさえ彼女にかかれば、人の思考を停止させるかのような

雰囲気がある。


彼女の名前は 薄氷 みぞれ 。


誰もが認める『氷の女王』であり、この謎の部活動『討論部』の部長だ。

新年明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

(新年を迎えた日本人の常套句)

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