表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
文系男子の処世術  作者: Kudryavka
1/5

第1話

「ひとりだけ」優越感と 裏腹に…


ふぅ、いい句だ。

この句なら、お茶の川柳くらいなら通るかもしれんな。


それにしてもこの句哀しぎるかな…?


いやしかし、さっきの場面を見ればこんな句も詠みたくなろう。


高校2年になってすぐ。

クラス替えの発表に、年甲斐もなくはしゃぎ倒すクラスメイトを横目に、俺は掲示されたどおりの教室に入る。

黒板に貼られた席の表を見る。

俺の名前は 志賀 直木 だから…。

席は窓側の2列目だな。

そして席に着き、誰と話すでもなく昨日買った本を開き、読み始める。



ええぃ、鬱陶しい!

窓から差し込む光が本のページに反射し、俺を攻撃してくる。

それはいいんだ。いや、だめだけど。

俺の前後の席の奴らが俺を挟んで会話し出した。こいつら嫌がらせか?


「春休みどうだったん?」

「あー、あれね。いや〜超楽しくってさー。なんか部活の奴らと女子何人か誘って出かけね?みたいな?」

「うぇーい、超楽しそうだわー」

「ほんと楽しくってさー、女子みんな用事できて?誰も来なくて?男だけで2時間カラオケでパーリー?みたいな感じだったわー」

「うぇーい」

「やっふー」

みたいな会話があった。

けっ、こいつらリア充かよ。

ほんと憎いわー。会話ペラいわー。

ん?しかし、こいつらよく聞いたら『全日本女子のワガママ被害者の会』のメンバーだな。ちなみに会員数は、7000万人。(俺調べ)

会員は、男子だけじゃない。

なんか闇を感じ…いや、やめとこう。


そんなわけで本を読むのをやめ、学校で寝るときのいつもの体勢をつくる。

この体勢、人それぞれにこだわりがあると思うのだが、俺は右腕で頭を支えるスタイル。いっけん起きてるように見せることが…で…き…



はっ!?

目が覚めるとそこは異世界!!

なんてことはもちろんない…

ただ俺だけが残された最後の人類!?

みたいなことは思った。


だって誰も居ないんだもん。教室に。時間は10時28分。おそらく入学式か、始業式の真っ只中だ。


どうしよう、なんか途中からだとぜってー目立つし怒られる。つーか誰か起こせよ。俺の睡眠スタイルが仇となったか。まぁいいや、もう帰ろ。式典でなくてラッキー。

………ぐすん。

俺は持ってきた鞄を手に教室を後にする。


ここで一句

「ひとりだけ」優越感と 裏腹に…


こうして、志賀 直木 の2年目の高校生活がはじまった。

つい出来心で…(万引き犯の常套句)




なお、この作品は、現実に基づいて書きたいと思ってますが、「全日本女子のワガママ被害者の会」は実在せず、100パーセント創作です。誤解しないよう気をつけてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ