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ドナドナ

 拝啓 読者様


 前回は言動が乱れ、申し訳ありませんでした。

 極限状態だったせいか、素が出てしまいました。

 そうです、本当は一人称は「俺」なんです。

 でも、まあ、こういう「公」の場では「私」の方が合ってるかなと思いまして。

 今後も「私」で続けるつもりです。


 さて、まずは前回何が起きたのかですが、空腹のあまり道端の雑草を食べたら全身が痺れて動けなくなりました。

 毒でした。

 いや、ほんと反省してます。

 今度からは、いくら空腹だからって知らない雑草は食べないようにします。


 今はあれから2日経って、14時を回ったところですね。

 時間経過にして、えっと、およそ65時間ですか。

 何とか生きてます。

 なぜ生きているのか、その疑問にお答えする前に、現在の状況をお伝えしましょう。


 今の場所は馬車の中です。

 ゴトゴト音をたてながら東に進んでいるようです。

 幌付きの馬車で、外の様子は分かりません。

 馬車の中は鉄格子で半分に区切られていて、私は中側と言っていいでしょう。

 私の服は変わってないようですが、財布がありません。

 スマホもさっきまでは無かったのですが、これは後で話しましょう。

 それで、ですね。

 私の手と足には枷が付けられています。

 ファンタジー系の漫画なんかでよくある、木の板で出来た枷です。

 右手と左手をお互いに目いっぱい伸ばして、触れるか触れないかって距離で固定されてます。

 お陰で、普段はスマホを横にしてキーボード打ちをしてるのですが、それが出来ません。

 今はフリック式で操作してます。


 あ、そうそう、私以外に4人ほど鉄格子の内側に人がいます。

 三人が男性、一人が女性ですね。

 鉄格子の外側には一人、男性がいます。


 ここまで書けば、聡明な読者は分かったでしょう。


 そう、私は捕まったのです!


 毒草を食べて気を失って、気づいたらこんな状態ですよ。

 あ、でも、水と食べ物を貰えたお陰で生きているんですから、感謝しないといけませんね。

 それと、人に会えたことは、どうやら私には相当嬉しいことだったようで。

 不意に泣いてしまいました。

 たった2日、されど2日。

 大変心細かったです。

 人恋しいというのは、こういうことなのかと実感しました。


 そんなわけで、一先ず餓死という危機は去ったようです。

 ちゃんと三食貰えますし。

 ただ、これから私の身柄はどうなるのか、不安でいっぱいです。

 そして、大きな問題が一つ。


 言葉が通じません!!


 マジでどうしましょう・・・・。


 っと、鉄格子の向こうの人、監視番の人が私のスマホに気づきそうです。

 取り上げられても平気なのですが、面倒なことになりそうなので、今回はここまでにします。

 それでは、また。

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