何もない
歩き始めて5時間が経とうとしています。
何もありませんでした。
人に会うことも、建物を見ることもありません。
ひたすら歩き続けるのは、超しんどいです。
こんなことならスマホに音楽を入れておけばよかったと後悔しています。
今は、歩き疲れたので道端に座り込んで休憩しています。
月達は東の地平線へ沈み、西の空が白んでいます。
きっとこの世界、この星は自転が地球と逆なのでしょう。
天文学的には、色んな問題があるのかもしれませんが、私の専門外なのでよくわかりません。
あ、ちなみに私の専門は機械工学です。
しかし、お腹が空きましたね。
スマホの時計では20時18分、いつもなら夕飯も終わり、お風呂に入っている時間です。
とはいえ、食料も水も無いわけで・・・・。
その辺に生えてる雑草でもくわえて見ますか。
空腹の紛らわしです。
・・・・・・・ふむ、不味い。
でもこれ、茎の先に葉っぱがちょこんと付いてて、浪人笠を被ればどこかの風来坊みたいですね。
まあ、私は戦えませんが。
気を取り直して、歩きだしましょう。
時差ぼけと言っていいのか分かりませんが、朝なのにだんだん眠くなってきました。
取り敢えず、あと2時間くらい歩いて、何もなければ仮眠することにします。
キャンプだと思えば、きっと地面でも寝れるはずです。
まあ、出来れば木の上とか安全そうな所が良いんですが、木とか生えているように見えないですし。
あ、木の上で寝るって、落ちて危ないかもしれません。
そしたら、結局寝床は地面ですね。
それでは、また。