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門内

 門を抜けた私たちが最初に目にしたのは、広場で訓練する兵士たちでした。

 陣形を作り、先頭が盾と槍を構え、前進や後進、突撃などを行っていました。

 どうやら、砦という第一印象は間違ってなかったようです。

 今しばらく、その訓練を見ていたかったのですが、衛士に「早く進め」とばかりに背中を強く押されたので断念致しました。


 門前の訓練場を通り過ぎ、木で出来た平屋が続く路地を抜けます。

 そのときにパッと見たところ、どうやらここでは土足で家に上がる文化のようです。

 軍のようですので、もしかしたら「非常時に迅速に行動するため」の軍だけの文化かもしれませんが、一先ず、この世界は土足文化という認識でいましょう。


 そんなことを考えていたら目的の建物に着いたようで、立ち止まった先にあったのは二棟の平屋でした。

 右手側が大きめに建てられており、大きさは15×15メートルくらい、左手側は10×10メートルくらいです。

 男四人は右の建物、女は左の建物と分けているらしく、ここで腕のない女性とはお別れしました。

 また、衛士たちも我々を建物に連れて来るまでが仕事だったらしく、一言二言話した後、そのまま戻っていきました。

 マッチョズは衛士が去った後、建物の中に入っていったので、私もそれに続きました。


 さて、建物の中に入った私ですが、かなり汚い印象を受けました。

 板敷ですが、土足のため土で汚れていますし、窓がないため室内が暗く、じめじめしています。

 しかし、元から居た人たちとマッチョズは気にしていないのか、平気で雑魚寝していました。

 野宿した身からすれば屋根があるだけマシですが、そうは言っても屋内なのに外と変わらないのは嫌です。

 まずは床を掃き掃除しようと箒を探しましたが、屋内にはありませんでした。

 そこで平屋から出て探したところ、平屋のそばにあったゴミ置き場みたいな所に壊れた箒を見つけました。

 柄が折れて半分になっており、穂先もだいぶ減ってますが、まだ使えそうです。

 箒を見つけた私は、さっそく掃除にかかりました。

 最初は自分のスペースだけのつもりでしたが、誤算が起こりました。

 顔の怖いマッチョが私の掃除したスペースに、どかりと座り込んだのです。

 そして肩をポンと叩いた後、自分が先ほどまで居た場所を指さしました。


 つまり、掃除しろってことですね・・・。

 やっぱり、きれいな方が良いってことか。


 仕方がないと、今度は顔の怖いマッチョが居た所を掃除しました。

 それに満足したのか、顔の怖いマッチョは掃除された自分のスペースに戻りました。

 しかし、私の掃除はそれで終わりませんでした。

 今度はスキンヘッドのマッチョが、その次はマッチョが私の肩を叩きました。


 そこまで掃除をやった時、元々居た人たちもこちらを見ていることに気づきました。

 みんな私より強そうで、逆らうのは得策じゃなさそうです。

 私はため息を一つ吐いて、平屋全部の掃除をすることにしました。

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