門前
拝啓 読者様
前回の更新から三日経っておりますが、お変わりなく過ごしておりますでしょうか。
私の方は・・・・疲労困憊ですが、何とか生きております。
あれから、どうなったのか。
この三日間のことを、順を追って記しましょう。
見張りの人に呼ばれ私たちは順に馬車から降りました。
カースト順のため、私が最後尾です。
馬車を降りて最初に目に入ったのは、高さ五メートル程の塀でした。
続いて、塀に備え付けられた、高さ三メートル、幅四メートルの門。
塀の内側にある、高さ十メートル程の櫓が二本見えました。
第一印象は、砦だと思いました。
見張りの人たちは私たちを一列に並ばせると、門のそばにいた衛士に確認をとります。
その際、衛士が私の方を見て何か言っておりました。
おそらく、「アイツは誰だ、人数が違う」といったところでしょう。
もしかしたら私は開放されるかもしれないと、淡い期待を持ちましたがダメでした。
見張りの人がどう言いくるめたのかわかりませんが、私は開放させることなく、見張りの四人はお金を受け取り、去っていきました。
五人の身柄は衛士たちに渡されたのです。
まず、衛士は五人に金属で出来た首輪を着けました。
内にも外にも変な紋様が彫られている奴です。
その後、五人の枷を外しました。
私は枷を外した瞬間に、マッチョズが暴れるかと思ってました。
どう見ても、衛士よりマッチョズの方が強そうです。
しかし、彼らは暴れるようなことはしませんでした。
いや、出来なかったと言っていいでしょう。
現に、彼らの拳は強く握られ、腕の筋肉は強く絞られ、今にも暴れだしそうでした。
その様子を衛士たちはニヤニヤしながら見ており、マッチョズはしばらく睨んでいましたが、彼らは忌々しそうに首輪を叩くと力を抜き、大人しくなりました。
そこでやっと、私はこの首輪は「マズイ」物なのではないかという考えに至りました。
ゲームや小説ならすぐにピンと来るのに、現実となるとそうは行かないものなのですね。
おそらく、この首輪は「奴隷の首輪」とか「隷属の首輪」と呼ばれるものです。
この手の物は二種類タイプがあります。
行動を制限するものと、思考を制限するものです。
前者は、行動を制限して攻撃出来ないようにするもので、後者は、思考を制限して攻撃すること自体を考えないようにするものです。
彼らを見た感じと、私の感覚から、この「奴隷の首輪」はおそらく前者のタイプでしょう。
こうして、首輪を着けられた五人は大人しく衛士に従うしかありません。
五人は衛士に連れられて、一列になって門の中へ入っていきました。




