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お菓子屋さんと冬の精  作者: 木山 夕
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冒頭

あなたは、冬の精霊について知っていますか?




雪を呼ぶもの、氷の化身などと謳われたり、その姿は小人のように小さかったり、あるいは雪や氷の造形物であるともいわれています。


冬の精霊は、通称やその姿を様々な人々によって言い伝えられ、色々な形で広められてきました。四季の象徴であったり、寒さの原因であったり、その恐ろしさや偉大さを知らない人はいません。


処によっては、信仰の象徴であり、親しい友人であったりもしたようです。


春夏秋冬を代表する精霊たちに連なる、彼ら冬の精は我々の生活に深く影響し、また彼らと仲良くやってきたということは、きっと間違いないでしょう。


何故なら、彼らを祀る四季のお祭りが遥か太古より続けられてきているからです。


彼らと共に生き、向かい合って過ごすことを確認するために開かれたお祭りが、ここまで根強く人々の生活に組み込まれているのは、恐らくは彼らという存在を今も信じているからではないでしょうか。


文献、伝承、言い伝え。様々な形でもって、過去から未来へ、大人から子供へ伝えられてきたはずです。あなたも、祖父母からそんな昔話を耳にしたことはありませんか?


所謂おとぎ話というものですが、それらはただの伝承ではなく、生の声をそのまま言い伝えられているだけだという説もあります。


それらに登場するおとぎ話の人たちは、それはそれは彼らと深い交流を持っていました。


一緒に遊んだと言った人がいます。助けられたという人もいます。共に暮らしたという人すらいます。


それらの声は信憑性に欠けると言われてきましたが、その痕跡は非常に多く残されていました。


そう、彼らと我々は、密接に繋がっていたのです。


しかし、現在。冬の精霊を見たと言う人は、とうとういなくなってしまいました。


見えなくなってしまったのか、人の前に姿を現さなくなったのか、そもそも冬の精霊はいたのかどうか。


もう知る由もないことですが、ただ一つ言えることは、冬の精霊は伝承上のものでしかなくなったということのみです。


ただ、残っているのは彼らとの繋がりだけ。


現状で、彼らの存在を証明するのは、とてもとても難しい問題となってしまいました。




もし。


彼らと離れ離れになってしまったこの現代で、見つけることが出来たのなら。




きっと、とても大きな幸せがやってくるかもしれませんね。





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