なんか ゆきと がかんがえられてるぅ
「ん?・・・ぬぉああああああああ!!!!!」
雪兎の唐突な絶叫に、その場の全員は一瞬ビクッとした。
「テメェ!おい!クサリ口裂け野郎!!どうしてくれるんだよコレぇ!!!」
そう言いながら、雪兎は変な方向にひしゃげてしまっているバットを突き出した。
「知るか!ばぁか!俺にそんな程度の金属バットで応戦してる方がどうかしてるって!!」
「んだとオラァ!!」
フェンリルと雪兎の間に異様な闘志のぶつかり合いが見えるようである。
その時
『えぇ〜艦内の皆様に通達です。これよりおよそ1時間後に、中国 黄河に入ります。黄河の中流にてワールドツアー最初の怪闘祭が行われますので、それまでに各々、準備をお願い致します』
とゆう放送が流れた。
「お!もぅ中国か、案外早いな」
「よいしょ」と言いながら、雪兎は何事もないかのごとく立ち上がり、衣服の汚れをはたきつつ大きく伸びをした。
その唐突な切り替え、もとい、あまりの普通さにその場の全員はア然とせざるをえなかった。
「おーい、アカネ、ナナギ。行くぞぉ」
「まってよぉ〜」
「は、はい!」
そして、周りが何か言葉を発するよりも早く、その場から去ってしまった。
その場に残された、
秀吉、鈴、クリスティーン、イバラキ、キリコ、フェンリル、天極、ユーフィスの8人は
ただ、呆然と雪兎が出て行った入り口を眺めていた。
「ふっ・・・ふふ…ははは、あははははははは!!」
沈黙を打ち破る様に爆笑を放ったのは、意外にも
今まで無表情、無感情のような雰囲気を出していた鈴だった。
「うっを!鈴ちゃんが笑ったよ!」
フェンリルは少し驚いたように鈴を見て言った。
「あははは!あ、あの雪兎って子、あははは!
ほんっっっとに、さいっこう!!!人間なはずなのに!あはは!!フェンリルと渡り合った上に、はは!普通って!!!あはははははは!!!
最高過ぎて笑いが止まらないわ!あははははは!!!」
「Hey ユーフィス」
「なに、クリス」
鈴が大笑いをしているのを横目に、クリスティーンはユーフィスに声をかけていた。
「あの雪兎って男。本当に人間なのか、かなり疑り深いデスネ」
「たしかに・・・フェンリルが嘘を付いていないなら、あのナナギのマスター、かなり厄介よ?」
「アナタから見て、雪兎はどう見えてマスカ?」
「どうもこうも、普通の人間にしか見えてないから厄介なんじゃないの」
「そうデスカ・・・。普通の人間で、神に匹敵する力を持つ・・・としたら、何か方法はあるんでしょうカ?」
「んんん・・・怪化に匹敵する力を持つには、結構方法はあるけどねえ・・・神に匹敵するとなると・・・ちょっと私には分からないわ。
一応調べてみるわね」
「よろしくデス」
と、クリスティーン達が話しているところに、秀吉が声をかけてきた。
「面白そうな考察をしてるね?」
「あぁ諏訪部」
「冴島君についての考察か・・・天極、何か心当たりあったりするかい?」
「ないな。」
「・・・だそうだ」
4人はより一層頭を抱えた。
「ちょ!おい!おい!そこ!誰かおい!」
急にフェンリルが大声で呼びかけてきた。
4人がフェンリル、もとい鈴の方を向くと
床に突っ伏しねピクピクしている鈴と、その周りをあたふたウロウロしているフェンリルがいた。
「ど、どうした?!」
「鈴ちゃんが笑い過ぎて失神した!!!!」
「「「「そんなにかよ!!!!」」」」