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魔力が無くても生きていける!  作者: 睡眠不足
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第四話

なんとか書けました。

あれから三日、キリエはフェリアと共にアレドの街を歩いていた。朝おきて宿の部屋から出ると、フェリアが満面の待っており、誘われるままに外出したのだ。


「フェリアは何処か行きたいところがあるのか?」まだ眠気が抜けてない声でキリエが訪ねた。


「特に無いですが、キリエさんと一緒なだけで楽しいですよ」


耳をピコピコさせながらフェレアが嬉しそうにしている。その後、いくつかの店や露店に寄ったあと二人は小洒落たアクセサリーショップに入っていた。何となく気恥ずかしくなったキリエが周りを見渡した後、フェリエが女の子らしくアクセサリーに釘付けになっていた。しばらくキリエもアクセサリーを見ていると品の良い銀細工の指輪が目に付いた。


「フェリア、これなんか似合うんじゃないか」


「わ~すごく綺麗でも銀貨10枚は高いかな。どうしよう」


フェリアは銀の指輪を手に乗せ悩みだした。出せないことはないが激しい葛藤が彼女の中でおこっているようだ。


「すいませーん、この指輪いただけますか」


フェリアの手から指輪を受け取ると店員さんに素早く声をかけ購入する。非常に痛い出費だがこの前の治療のお礼に購入を決意した。そのまま指輪を入れた紙袋を彼女へと渡す。


「俺からの日頃のお礼のプレゼントだ」


フェリアは驚きつつも、満開の花のような笑顔をほころばせて喜び尻尾と耳を激しく動かしている。


「ありがとうごじゃいますキリエさん。大事にしますね」


(天使の笑顔だな。これが見れただけでも買った価値があるな」


その後、昼ごはんを一緒に食べると、フェリアは治療院の仕事があるためそのまま別れ、キリエは軽くなった財布を気にしつつも人ごみのなかに消えていった。





その日の晩、以前にヘリで着陸した場所に移動していたキリエは、魔物よけの香炉を焚き迎えのヘリを待った。小一時間も夜食を食べつつ待っていると上空からCH47チヌークが現れスムーズに着陸した。


「お迎えに上がりましたキリエ様」


ロック軍曹がヘリから降り、彼の部下の一個小隊がヘリの周辺を警戒する。キリエがヘリに乗り込もうとした時、突然不気味な唸り声をあげ、こちらに突進してくる集団が現れた。


パ-ン!


突如SG550の発砲音が辺りに響き渡りその後も連続した発砲音が響く、硝煙の匂いが立ち込めた後、30mほど先にライトで照らされた50体ほどのゴブリンの蜂の巣になった死体が散乱していた。勿体無いのでゴブリンの討伐部位である耳を削いだ後、ヘリに乗り込み工廠への帰還の途についた。




「お帰りキリやん、早速やけど会議室まで来てくれへん」


二時間後、工廠へと入ると端末からジェネルの声が響いた。


「了解、今から向かうよ」


途中、何人かの兵と出会い挨拶しながら会議室を目指し、15分ほどで会議室に到着した。入室すると五人の将校と補佐官が起立し敬礼する。キリエは敬礼を返し着席を促した。


「ほな会議を始めよか」


会議室の全面に貼られたスクリーンにジェネルが現れ会議がスタートする。


「まずは、現状の確認から始めよう。アデル中佐、現在の兵器とクローン兵の生産状態を教えてくれ」


キリエから見て右、金髪のインテリ風の男が立ち上がり報告を始めた。


「ハッ、クローン兵ですが冷凍睡眠からの解凍ではないので、補充にはあと一ヶ月程度かかりますが、それ以降は毎月1000人以上の増員が見込めます。


「それまでは現状の戦力でなんとかするか。解凍作業は全て終わっとるから、戦闘が可能なんは500人程度やな、別に何処かの勢力と対立してるわけやないし大丈夫だろうけど」


アデル中佐が報告を続ける。


「非戦闘員は、現在工廠上部に基地を建設中であります。兵器の生産状況ですが、手元の資料をご覧下さい」


その場の全員が手元のタブレット端末へと視線を向けた。


(これ本当に便利だよな。)


キリエはタブレットに映し出された詳細な資料見つつ、タブレットの便利さに感嘆した。タブレットには生産された兵器の情報が載せられており、それは以下のようなものであった。


第一回軍備状況報告


陸上兵器

レオパルト2A6戦車 20両

LAV-25装甲戦闘車両 50両

M109 155mm自走榴弾砲 10両

M163対空自走砲

SIG SG550自動小銃 800丁

ベレッタM92 1000丁

M2重機関銃 100丁


航空兵器

CH47チヌーク (輸送ヘリ)20機

AH-64Dアパッチ・ロングボウ (攻撃ヘリ)10機

F16 (戦闘機)8機

MQ-9 リーパー (無人機) 3機

E2 (早期警戒機)4機

                                       以上


「鉱物資源や燃料についても心配いらへんで、セントバレル軍工廠はアメリカ軍の生産の拠点であると同時に軍需物資の一大集積地でもあったから10年は戦える量が保存されとるで」


近くのスピーカーからジェネルが補足の情報を伝えてくれる。


「そうすると、当座の問題は食料の確保か…狩りでもするか?」


「あかん、ええかキリやん軍隊ってのはやな、存在するだけで消費を続けるもんなんや、付け焼刃の方法では解決せんし、根本的な解決法が必要やで」



左側に座っていたバールマン少佐が渡された資料から目をあげ、彼の筋骨隆々の体格に見合った野太い声で発言した。


「やはり、軍隊を維持するのにはそれなりの基盤が必要であると考えます。具体的には東方の開拓地を早期に制圧後、アンクセス王国への侵攻を提案いたします」


「それしかないやろな、どうするキリやん最終判断はキリやんが決めなあかんで」


「こちらから一方的に攻め込むのはな…アデル中佐現在の人員で、食料はいつまで持つ?」


「そうですね、現在の備蓄とアデレで買い付けた食料と周辺での狩りや釣りを含んで考えますと三ヶ月が限界でしょう」


キリエはこめかみを押さえつつ、答えようとした。


「なるほど、侵攻についてはもう少し考え「失礼します」たい」


「なんだ、今は会議中だぞ」


「緊急辞退です。アンクセス王国が軍隊を収集しています。その数およそ3万。これが無人機(MQ-9 リーパー)からの映像の解析結果です」


タブレットに問題の映像が映し出され、次の瞬間には軍装を来ている大量兵士の姿と積み上げられた物資の山が鮮明に表示されていた。


「これは、今日の昼頃の映像やな。準備は完全に整ってはいないみたいやから、アレドへの到着は五日後くらいでやろな」


「五日後には、アレドでは街ができてから100年の祭りが開催される。その日に合わせての侵攻だろう」


キリエが祭りのことを話すと、会議室内はどよめきがおき、アンクセス王国との戦へ積極的に介入すべきであるという意見と様子をみるべきであるという意見に真っ二つに別れ、キリエに最終的な判断をキリエに下してもらうことになった。


「明日、ギルドに言ってダグさんやギルド長に相談してみるよ」


「キリやんのこと心底嫌っとるんやん、あの豚ギルド長、助ける義理ないやろ」 


「確かに、あの街での思い出は酷いことばかりだったよ」


「せやったら」


「でもあの街にはフェリアやダグさんのように偏見を持たず親切にしてくれる人達もいるんだ。それだけで助ける理由にはなるさ」


「まあキリやんがそれでええならええけど気をつけてな。今日はもう遅いからアレドには明日向えばええやろ」


「ありがとうジェネル、みんなも俺のわがままに付き合わせてごめんな」


そのまま、会議は終了し俺は明日に備えて自室で眠りについた。



:



翌日、ヘリでアドレへと向かい、全速力でギルドへと向かった。途中、兵士や冒険者が通り過ぎていったが特に様子が変わっていないところをみるとまだアンクセス王国の侵攻が迫っていることは伝わっていないのだろう。そうこうしているうちにギルドへと到着しダグさんの元へと向かう。


「どうしたキリエ血相変えてなにかあったのか」


書類を作成していた手を止め、ダグさんが驚いた顔でこっちを見ている。


「ええ、至急ギルド長に報告しないといけないことがあるんです」


「あれ、キリエさんじゃないですか、何かあったんですか」


振り向くといつの間にかフェリアが直ぐ後ろに立っていた。キリエはフェリアとダグにアンクセス王国軍3万がアレドへ向かっていることを話した。二人は凍りついたような表情を浮かべ硬直していたが、回復するとすぐにギルド長への報告にキリエと一緒にいくこととなり、ダグさんを先頭にギルド長室へと向かった。


ドンドン、ダグさんがノックが終わると同時に勢いよくドアを開けると、ギルド長は机に突っ伏して爆睡していた。


「ギルド長起きてください、緊急事態です」


ダグさんがデスクに野太い手を叩きつけ、ギルド長をたたき起こす。ギルド長は不機嫌そうに眠気の覚めない目でダグさんを睨みつけ。怒鳴りつけた。


「ダグ!前から言っているだろ俺の昼寝の時間を邪魔するな!」


「生憎ですが、お昼寝の時間は延期してもらいます。アンクセス王国軍3万がアレドへと侵攻しようとしています」


ギルド長は、傍目にも解るくらい動揺した様子を見せつつ、先ほどにくらべ小声で応答した。


「ど、何処から、そんなデタラメを聞いた」


「キリエが知らせてくれました。すぐ対策を打たないといけません」


「キリエ?あの魔力無しの無能者か、デタラメに決まっとるよ」


ギルド長が豚のような高笑いをしながら、今更ながらにキリエに気づき鼻を鳴らして馬鹿にしたような笑みを浮かべる。


「ギルド長、私は冗談を言いに来たのではないのです」


ダグさんが怒りに肩を震わせ鬼のような形相でギルド長を睨みつけ、ギルド長に迫り寄る。


「わわわかった、至急確認をとるから隣の部屋で待機していてくれ」




隣の部屋にキリエたちが移動してから二時間が経過していた。突然、ドアが蹴破られると同時にギルド長と数人の屈強な男が部屋へと入ってきた。キリエ達が呆気に取られている内に周囲を囲み、剣や斧、杖などの様々な武器をこちらに向けてくる。訳が分からないという顔でダグさんがギルド長に詰問した。


「ギルド長これは一体何の真似です!冗談にしては質が悪すぎます」


「冗談なものか、結論から言おう君たちは私が野望を果たすためは邪魔なのだよ、死んでくれ」


ギルド長が話終わると同時に周囲を囲んでいた男達が、包囲を縮めてくる。フェリアはキリエの後ろに隠れつつ、震えており、ダグさんは人を殺せそうな目線でギルド長を睨んでいる。キリエは腰からジェネルに渡されていたスタングレネードを取り出し、ダグさんとフェリアに目を瞑り、耳を塞ぐように声をかけると、栓を引き抜きギルド長の顔面めがけて投げつけた。


「「「「「ギャーーーーー」」」」」」


閃光と爆音と共に、ギルド長と周囲を取り巻く男たちの悲鳴が上がり、彼らが行動できないうちにキリエ達は全力で部屋から逃走を開始した。ギルドを抜け、アレドの街中を全速力で走る中でキリエはジェネルに端末で連絡をとり、近くに待機しているヘリをアレドの外まで呼び寄せてもらう。



ダグさんは仕切りに後ろを確認し追っていないか確認しており、フェリアはその狐耳をピョコピョコ動かしながら周囲を警戒している。幸い追って来る者はいないようで、キリエたちは無事アレドを脱出し、郊外で待機していたヘリと合流することができ、一応の安全を確保することができた。


ダグさんとフェリアはヘリを見ると大変驚き、出てきた兵士達に警戒していたが、キリエが彼らが味方であることを告げ、事情は後で話すと約束すると、おっかなビックリではあるが、ヘリに乗り込んでくれた。


「出してくれ」


キリエが機長に命令するとヘリはセントバレル工廠に向けて飛び立った。
























自分の文章力の無さが泣けてきます。次回は近代兵器チートになると思います。

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