ゾンビ殺し
「……えっ。どうしてカナメが?!」
「……?! カナメさん、どうして?」
「……ユリ……と、……名前思い出した?」
「…………まだ………………思い出せません……」
「……そっか」
(まだ名前思い出していないのか)
「取り敢えず今は、そんな話をしている場合じゃない。魔王を、探して殺しに行こう!」
すると少女はいきなり、青いオーラを放った。
「「うっ、眩しい」」
「あそこです!」
少女が指を指した。少女が指を指していた場所は、外。
「あっちってどっち……外か」
「取り敢えず行きましょう」
俺達は外に出ることにした。
「次はあそこです」
少女はそう言って指を指す。
「とりあえず行こう」
「そうね」
しばらく進むと、魔王のいる敷地っぽいところが見えてきた。俺達はそこまで行った。
「ここが魔王の敷地か」
「そうみたいね」
「……………………」
すると少女が扉を開けた。すると中にはメイドがいた。
「どちら様ですか? 魔王さまのお知り合いですか?」
「そういうわけじゃないです。ただ魔王に用があっただけで」
話をしている間に少女は勝手に中へと進んでいってしまった。ユリも少女の後を着いて行った。
「どこ行くんだよっ」
俺も後を追いかけていった。探索するか。
「……この奥の部屋……です…………」
どこの部屋よりも大きい扉が、魔王の部屋みたいだ。
「ここが魔王の部屋ね」
「よし、この部屋に入るか」
「……この扉を開くと、もう一つの扉があり、その中に魔王はいます……」
(なんでこの子は知っているんだ。やっぱり、最初に出会った時の紙のことかな)
俺達は初めの扉を開け、次の扉も開けた。
「ま、魔王……!」
「やあ、カナメくん。と、口うるさい女の人。それと少女」
「口うるさい人って何よ。失礼ね」
「……私は元々名前を名乗っていなかったので、それで結構です」
「で、なんの用? 俺に用があってきたんだよね?」
魔王はニコっと笑った。
「…………」
少女は魔王をじっと見つめていた。
「そういえば少女ちゃん、あの紙どうした?」
「……っ。その話はここではしないで下さい……」
「おっと、それは失礼」
「紙って魔王もその紙のことを知っているのか」
「うん、ちょっとね。ま、教えないけど♫」
今度はニッコリと笑った。
(やっぱり何かありそうだな)
「紙って何?」
「ユリは何も気にしなくていいよ」
「何よそれ。私だけ何も知らないじゃない。教えなさいよ魔王」
「だ~か~ら~、教えられないんだって~。ほんと口うるさいな」
「あらごめんなさいね」
「……本当に気にしないで下さい」
「そんなことより、こんどこそあんたをぶっ潰しに来たんだよっ!」
「へぇ、勝てないのにぃ?」
すると魔王が後ろを向いた隙に、少女が青い光を放ち、カナメのバットに移し、カナメは魔王をバットで刺した。
「……ん? あれ、刺しちゃった?」
魔王からは血がぼたぼたと垂れだした。カナメが魔王を振り向かせ、いきなりキスをした。魔王はその状態で固まった。カナメは唇を離した。
「今度はお前が死ぬ番だな」
ニッコリと笑った。
「……今の状況で殺しちゃって、良かったんでしょうか…………」
「別にいいんじゃない? あいつは殺した方がいいし」
「………………そうですね」
「あの紙の秘密を言ってから死にたかったな」
「残念だがそれは無理だ。じゃあな、魔王」
すると少女がいきなり消えた。
「「!?」」