ゾンビ殺し
「なんで返事しないの」
鉄球少女が何かを喋ってるときに、後ろから魔王が赤い光のようなもので刺す。
パァンと、突き抜けた。
「うっ……ぁ……魔王……?」
「君も用済みだね☆ バイバイ」
ばたりと鉄球少女は倒れ、もう動かなかった。
「……っ。仲間まで殺すなんて……カナメも殺しといて、鉄球少女まで殺すなんて……」
「そうですね。仲間も殺しちゃうなんて、本当に最低なお方ですね」
青い光を魔王に向け、パーッと放った。
だが魔王は避けた。
「いきなり攻撃するなんて、怖いねぇ(笑)」
魔王は最後に「そろそろ帰るね」と告げて、鉄球少女を持ち上げ去った。
(カナメはもしかして、まだ生きているかもしれない。探しに行こう)
少女はユリを置いて、先に進んでしまった。
「ねえ、ちょっとっ、勝手に先に進まないでよ」
「別にいいじゃないですか。あなたは好きではありません。わ、私はカナメさんしか信じてません」
そう言って少女は先に行ってしまった。そしてその後をユリは追い掛けて行った。
すると向こうの方から大きい音がした。
ドッカーン!
「あっ、カナメさんっ!?」
「……ッ!? カナメ?」
そこに行ってみると、カナメはいなくゾンビがいた。少女にはカナメが見えた気がしたのだ。
「はっ? カナメじゃないじゃん。遂に目まで可笑しくなったの?」
「目が可笑しくはありません。確かにカナメさんです。ユリさんこそ、カナメさんが見えないなんて、本当にカナメさんを心配していたんですか?」
ユリが喋ろうとしたときに、カナメらしきゾンビがいきなり少女に向かって走り出してきた。「ヴォオ゛ォ」と、少女を襲おうとした。
そのときユリがカナメの持ってたバットを握り締め、背中らへんをドスッと喰らわせた。そのうちに少女は立ち、カナメらしきゾンビから離れた。
「……え? カナメさんじゃないんですか?」
すごく驚いた表情をしていた。
「こんなのカナメじゃないっ」
そしてまた一撃を喰らわせた。
「ウガァア゛!」
「急がないと、カナメが見つからない。あんた、名前教えなさいよ」
「あなたに教える権利はありません。私はカナメさん以外には、教えたくありません」
「は、めんどくさい。まあいいや、行くよ」
「そんなの知っています。言われなくともそうするつもりです」
(本当に気が合わないわ)
すると二人の目の前には、信じられないような人が立っていた。