ゾンビ殺し
少女
ゾンビがこっち来た。私はそこら辺の本を一冊とって、ゾンビを殴った。
大丈夫なのかな、このゾンビ。ちゃんと死んでるかな…?あれ、おかしい。消えない。私はしゃがんで、ゾンビをツンツンと突いた。その瞬間、ゾンビが起きた。だから私は、また本を掴んで殴った。
ゾンビさん死んだかな。足元を見ると、消滅していた。
良かった、死んでる。フフッ…。
カタカタと音がしたので後ろを振り向くと、もう一匹のゾンビがいた。そいつも私は、本で殴った。しかしそのゾンビは起き上がった。
何で、血が、出てるの…?もう一度私が殴ろうとすると、ゾンビは私の持っていた本をパシッと受け止めた。
う、受け止めた!?あれこいつ、よく見たらゾンビじゃない。に、人間だあ。その人はニイッと笑った。こ、怖い。何なの?この人。その人は手をパッと放して、立ち上がった。
「……貴方…ゾンビじゃ…なくて……人間だったん…ですか…」
「そうよ、私は見ての通り人間よ」
何かこの人、怖い。ゾンビより怖いかも。
「で、貴方はなぜ私を殴ったの?とてもビックリしたわ」
「…え、えーと………それは……ゾンビと勘違いして……しまった…から…です。…ご、ごめん…なさい…」
「ふ~ん、この私がゾンビに見えたと。ふっ」
「…本当に…すみません……でした…」
「そんなに謝るなら、許してあげてもいいわ」
その時、カナメが戻って来た。
「だ、大丈夫?ごめんな、ちょっと遅くなっちゃって…」
カナメ
だ、誰だこいつ。人間…?
「貴方、名前は?」
俺に聞いてんのか?しょうがねぇ、答えてやろうじゃねぇか。
「俺は東城カナメ。」
「東城、カナメくんねえ。へえ、なかなかいい名前じゃない」
な、何だこいつ。俺の名前褒めてどうするんだ? 「どうしてこの場にいるんですか?」
「あら、私の名前は聞かないの?」
あ、忘れてた。聞かなきゃな。
「名前は?」
「一城ユリよ」
「はい、ユリさんねえ。分かりました」
「何それ、適当ね。人が折角教えてあげたのに」
何だこいつ、ムカつくわ。もういいよ、ゾンビが来ないように戦おう。
「皆で戦ってくれないかな」
「ああ、さっきこの子がやったみたいに?」
え?やったって、何?まさか、闘ったのか。
「…ええ……確かに…闘い…ました…」
何?心読んだ!?
「この子いきなり殴って来るんですもの。しかも私をゾンビと間違えて」
ゾンビと間違えたんだ…。
俺達が喋っている間に、ゾンビがまた勢揃いですわ。
「私が斃すわ」
ユリは髪の毛を縛って、前に進み戦った。しかしユリは一匹を倒すのに夢中なようで、もう一匹に気付いていない。