はじまりのはじまり。
—何故、人は戦いを起こすのだろうか。
俺はいつも寝る前に思うのだ。
たかが、土地のことなのに。
同じ人間なんだから、分け合えばいいじゃないか。
俺だって、わかることなのに。
なんで、みんな声に出さない?
まあ、俺も、声にしていないから、みんなと同じだが……
そういう風に、意識は朦朧としていって……
気づいたときには、夢の中にいるのだ。
それは、俺が|折り襟≪ダンカラ≫村から見送られたときの夢。
「龍吾くん!我らの未来のためにも頑張ってくれたまえよ!」
「|折り襟≪ダンカラ≫村、万歳!」
……そういえば、みんな、俺のことを笑顔で送ってくれてたっけ。
—説明が遅くなった。
|白鳥の戦い≪スワンズ・ウォー≫。
それは、白鳥使いの国、チュアンクイでの、村による土地争いから始まった。
村同士の仲が悪くなり、チュアンクイの治安はどんどん悪くなっていった。
国民はバラバラになっていく一方である。
困った首相は、
「それぞれの村から、代表を出し、|白鳥≪スワン≫を使って、戦わせよう。村の強弱がはっきりするからな。その結果によって、土地の広さを決める。」
と、発表した。
その提案によって、|折り襟村≪ダンカラ≫では、代表の戦士を決める、会議が開かれた。
「ここは、昔から、藍鳥を大切にしていて、大会でも好成績を収めている、龍吾くんにしてはどうでしょうか」
「しかし……龍吾はまだ15になったばかり。いくら優秀とは言っても、まだ早すぎるのでは……」
「いや、うわさによれば、隣の|医療村≪ワクシュリー≫からは、ユゥクという16の娘が出るらしい。最年少では、|魔女の村≪グルフォウ≫の隣、|長靴下村≪ハッテキ≫からは、10歳の天才がでるという。それを考えれば、龍吾が若すぎるということもない。それに……」
村長はいったんそこで切ると、俺の顔を見た。
「|折り襟≪ダンカラ≫村を救えるのは、お前しかいないんだ、龍吾。」
俺は、こんな顔をした村長をはじめて見た。
たぶん、これからも見ることはないだろう。
「……わかりました」
言ってみて、はじめてその言葉の重みを感じた。
大人たちは本当に嬉しそうにほほ笑んだ。
「それでは、龍吾くん、頼んだよ!」
サブタイトルの通り、はじまりのはじまり、のため、全然面白くなかったかと思いますw
これから、書いていくつもりなので、続きも読みたい!と思っていただければ嬉しいです。