プロローグ(主に作品内の現実世界事情の説明)
2078年・・・それは人類が始めて仮想現実を一般向けに開放した年である。
その技術は仮想『現実』というにはまだまだなものではあるが、しかしそれでも画期的なシステムは爆発的な人気を得ることができた。
そしてこの技術によって一番事業を拡大した部門がある。ゲーム事業である。
いわゆる体感型ゲーム『VRMMO』がついに実現したのである。
最初は全体感型のレースゲームから始まった。
もっともこのゲームは結局は操作が実際の車と同じとなってしまい、操作のしにくさの関係で不評だったが・・・
しかしVR技術でゲームを遊べるインパクトは凄まじく、あれよあれよと激戦のゲームハード戦争を勝ち抜いたのだ。
凄まじい勢いでゲームソフトが開発され、あの名作をVRで!というリメイクまでも作成された。
ファンタジー、アクション、パズル、のんびりスローライフ、FPS・・・もはや何でもVRMMOで作ればバカ受けするような相場であった。
そしてVRが一般開放されて1年、また新たなゲームがリリースされる事となった。
『Hermetic Art Online』
英語で錬金術という意味を持つこのゲームは自分の装備を如何に揃えるかが肝になるゲームと公式に発表されている。
しかし今月だけで15作品目となる新作VRMMOだ。何故こんなにも特別注目されているのか・・・
それはVRMMO初の基本プレイ無料のゲームだからだ。MMOが平面の画面でプレイされる時代こそこの形式がはびこっていたが、
VRMMO取って代わってからは会社が利益目的に月額課金制にしていたのだ。
そのようなVRMMOの歴史を動かすゲームのリリースを待ち望んでいる人はコアゲーマーから始めてゲームを触る人まで十人十色だった。
そして彼女もまた、その内の一人であった・・・
あれ?プロローグからグダッテマスヨネー・・・
これはイカン・・・