ギルガメッシュ王との謁見
「決勝戦、見事であった!」
コバヤシさんとの一戦のあと、驚いたことにこの国の王様に呼び出された。
王様と言うだけありすごい貫禄で、萎縮してしまう。
そんな俺にギルガメッシュ王は笑いながら話してくる。
「そう緊張するでない。コバヤシとの試合、見事であった」
「はい」
コバヤシさんを知っているのだろうか、彼の名前を口にする冒険者はあまりいなかったのでそう聞いてみた。
「コバヤシさんを知っているのですか?」
「ああ。借りがあるからな」
ギルガメッシュ王は「話を戻すが」と言うと、依頼を切り出してきた。
何やら最近、魔物の動きが活発になってきているらしい。
森でよく姿を見かけるカリュドーンという獣が街道で見かけられたり、前回の森でのゴブリンの襲来の一件などだ。
魔物は魔素が多くなると活動が活発になるという。
この世界はマナが他の異世界よりも充実しているためかいわゆる魔族の王や、外なる神などに襲撃されることが多々あるらしい。
つまり、
「強力な魔物がいる可能性があるんですね」
そうだ。とギルガメッシュ王は答える。
「分かりました。依頼、受けます」
「感謝するぞ。カイトよ」
「・・・と、言うわけなんだけど」
冒険者ギルドで待っていたチャモロさんとエヴァに報告に戻った。
エヴァは酒を煽りながら言った。
「いいんじゃない?報酬はそれなりなんでしょ?」
「すごい依頼じゃないか!準備は綿密にしないとね」
正直断られるか心配だったがいい返事が聞けてよかった。正確にはエヴァに・・・。
今回は長旅だ。
調査対象の遺跡はチャモロさんが行った事があるらしいので、言っていたが結構遠くにあるらしい。
「荷馬車の手配、食料はそれなりに用意する必要があるよ。そういうところは任せて」
こういう時、やっぱり先輩なんだなと思う。
ギルドの受付に必要な手配をしに向かう。
その間、エヴァに聞いてみた。
「エクスキューショナーポイントって魔物を殺さないと手に入らないはずだよね?この前ドラゴンを追い払ったけど、あれでも手に入るものなの?」
「ああ。まだこの世界のルールがわかっていないのね。そうよ、必ずしも殺す必要はないわ。私はあのドラゴンの経験値を奪ったの、魅了の魔術でね」
話をエヴァが続ける。
「サキュバスである私は、性的に堕落させて奪うか物理的に殺して奪うか決められるのよ」
「例外はあるけれど」と皮肉っぽく呟いた。
「サキュバス特攻・・・かな」
「そうよ」
話を終えるとエヴァは再び酒を煽った。