この関係は文化祭にも変えられない
「ふぅ、終わっちゃったね。」
「ん?あぁ、そうだな。」
窓からさしこむオレンジ色の光に照らされた教室の床には、中途半端にバラされた文化祭の思い出がそこに残っていた。
「莉緒さ、、、いや、なんでもない。」
「えw?なに?気になるじゃんw」
「なんでもないって。ほら、ここら辺の片づけ。頼まれたんだろ?手伝ってやるから。」
「なんか上からじゃない?ま、いいけど。...ありがとね。」
「きにすんなよ。いいってこれくらい。」
「フフッ。違うよ。」
「そうか違ったか。」
「うん。全然違う。」
教室に自分たちしかいないことを確認すると、莉緒は恐る恐るといった具合に口を開いた。
「人が来ないようにしてくれてたんでしょ?聞いたよ?」
「なんのことだか。」
「あいつ彼女いるんだって。隣のクラスに。」
「そうか。」
「見てみたらねすっごい可愛かった。」
「そうか。」
「私なんか足下に及ばないくらい。」
「そうか?」
「うん。私じゃかなわないくらい可愛くて、きっと私よりもずっと優しくて、センスがよくて、私の何倍も愛してくれる。そんな人なんだよ。」
子供のように不満げに言いながら、莉緒は隣にいる男のことになど目もくれず片づけを続けていた。
口を開き、喉まで出かけた言葉を押しとどめる。違うなこれは。
「クレープでも食べに行くか?」
「行くー!」
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