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(二)-7

 しばらくの沈黙のあと、肉眼で斜面を走ってくる人影が見えた。その背後からも人影がちら見えた。銃声はするが、その音は空には響かない。サイレンサーを使っているようだ。

 駆けてくる人影に向かい、俺は「狙え」とインカムに呟く。小銃のチャージングハンドルを引く音がする。

 そして人影は斜面を駆け下り、道路に出た。一瞬立ち止まり、左右を見ている。間違いない。あの顔は、俺の左頬にパンチを食らわせてきたアイアンズ曹長だ。


(続く)

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