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【逃亡の意味】
逃げて逃げて、何処に辿り着けるだろう?
逃げるのをやめる事は、死に繋がるけれど…逃げ続ける事に、意味はあるのかな?
死を受け入れるのは怖いけれど、私は足を止める事にした。
だって私は、疲れ切っていたから。
あっという間に、追っていた奴等に囲まれた。
「もういいよ、私を殺して」
そう言って、目を閉じる。
痛みは感じたけれど、反面ほっとした。
これでもう、逃げる必要はなくなったから。
薄れゆく意識の中、誰かの名を呼んだ気がするけれど…もう、どうだっていいや。
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【アイディアマン】
俺は㈲○○カンパニー商品アイディア課勤務、吉谷努。
俺の仕事は新商品のアイディアを出す事。
今日も俺は、新商品を提案する。
これはもう、当たる事間違いなしっ!
『目覚まし時計 ドッキリ君!!』
このドッキリ君の優れた所は、早めの時間を言って朝に余裕を持たせてくれる事なんだ。
例えば俺が家を出る時間は7時半。
ドッキリ君を6時半にセットして、寝る。
そして6時半…ドッキリ君が喋り出すのさ。
「うわぁっ!大変だよぉっ!もう7時半だよぉっ!起きて───っ!遅刻するよぉ──────っ!!」
びっくりして起きる事間違いなしだろうっ?
慣れたら意味ないけどなっ…。
アイディアが通ってドッキリ君発売開始!
………売れなかった…。
俺は部長に呼び出されて、ドッキリ君を1万個買わされた…。
長い人生、色々あるさっ!
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もしも、魚が喋れたら…
【まな板の上の鯛】
鯛「嫌───っ!何すんの?やめてよ!魚殺し─────────っっ! !」
職人さん「騒ぐなて。殺しゃせんて。ちーとチクっとするだけやさかいな」
ザクっ(包丁入れたらしい)
鯛「キャ───っ!痛い痛い痛い──────っ!」
………
職人さん「ほら、終わたで」
鯛「え?」
職人さん「鯛の生け作り、いっちょ上がりや。お客さんトコ持ってってや」
…運ばれて、お客の前に出された鯛。
鯛「嫌───っ!見ないでぇ───っ!!」
↑恥ずかしいらしい(汗)
お客さん、鯛の声を無視して食べる。
食べられて骨と頭と尾だけになった鯛。
しくしく…
鯛「…これじゃお嫁にいけないわ」