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追憶24

昼食を終えてタケルと恭也さんは早速ノートに書かれた改装の計画について話し合いを始めた。そして莉奈ちゃんと遥人君はペンキ塗り、私は恭也さんの車椅子補助をすることになった。リハビリをしてだいぶ動けるようになったものの足場が不安定なこともあり心配だからだ。莉奈ちゃん達は外壁に打ち付けてある木の板を塗るため外へ出た。タケルが塗り方の手本を見せると言って一緒に出たので私と恭也さんは中で待った。

「ありがとう」

「え?」

「君には色々と嫌な思いもさせてしまって、本当に申し訳ないと思ってる。許してほしい」

「いえ。私は嫌だなんて思ったことありません」

「直接謝りたかったんだ。あの時は気持ちが塞ぎ込んでしまっていて自分のことしか考えられなかった。でも、君が図書館や庭に連れ出してくれたおかげで希望になるものを見つけられた」

「……悲しいことがあったんですよね」

「君は知ってるんだね、真由那のこと」

「はい、ほんの少しだけ」

そう答えると恭也さんは哀しそうに口角を上げた。

「もう二度と死ぬことは考えない。ここを完成させて再出発する」

そう言った恭也さんの瞳には強い意志が感じられた。今日ここへ来られてよかったと心から思った。

「お店、オープンするとき呼んでください。お祝いしたいので」

「うん、約束するよ。これからメニューも考えないといけないし、まだこのノートに書ききれてないことがたくさんある。でも、ここまで作業が進んでいるなら来年の春頃にはオープンできるかもしれない。彼には感謝しきれない」

「楽しみにしてます」

「ありがとう」

暫くしてタケルが戻ってきた。恭也さんは2階を見ておきたいと言った。階段を上るのはまだ体に無理があるんじゃないかとタケルと止めようとした。それでも恭也さんは大丈夫と言って手すりを掴み階段を登り始めた。私は急いで車椅子を畳んでタケルに渡した。

「これ上に運んでくれない?」

「わかった」

恭也さんは思ったよりも安定したバランス感覚で上がっていく。いつでも支えられるように少し後ろに付いて見守った。

上の方に来るとさすがに息を苦しそうにしていたけれど最後まで1人で登りきってしまった。タケルは急いで車椅子を開いた。息を切らしながら車椅子に体を預けた恭也さんの表情は病院の廊下を歩ききったあの日と同じだった。

「すごい、恭也さんリハビリ頑張ってるんですね」

恭也さんはまだ息が整わず、笑みを見せて頷いた。タケルはその表情を見て驚いているようだった。




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