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追憶⑳


「君が目覚めた時と同じ頃、青谷蓮は突然意識不明で倒れて入院した。それも、倒れた場所はあの神社の近くだったんだ。それから間隔を空けて俺達は何度も入れ替わった。始めは何が起きてるのかわからなかったけど、今回入れ替わったことで状況が見えてきた」

それから恭也さんは私に話してくれたように入れ替わりに気付いた経緯を説明した。

「じゃあ、僕らの容姿が似ているのはどうして?」

「それについてはわからない。青谷蓮の近しい知り合いと何人か会ったけど、初めて会う人ばかりだった。血縁関係はなさそうだし、単なる偶然だろう」

「こんなにも似てるのに?」

「ああ。それより、そのうち元に戻ったとして、またいつ入れ替わるかわからない。もしかしたら俺達は一生入れ替わり続けるのかもしれない。どう解決すればいいのか見当もつかないからな」

その時、誰かの空腹の音が聞こえた。

「あ…すいません」

莉奈ちゃんが言った。すると遥人君が何かを思いだしたように顔を上げた。

「あの、こんなときになんですけど、今日みんなの分の昼ご飯持ってきてるんです。タケルさんに会うこと親に言ったら持ってけって言って作ってくれて。外暑いから早めに食べたほうがいいかなって」

腕時計を見ると11時を過ぎていた。

「そうなんだ?ちょっと早いけど、せっかくだし今から戴く?」

そう言うとタケルは少し考えてから返した。

「そうだね。今すぐに解決できるような問題じゃないし」

恭也さんも頷いて、固くなりつつあった空気はほぐれた。

「作業台の上にある物、下ろしといてもらえるかな?椅子になりそうなやつ探してくるよ」

「わかった。恭也さんは車椅子大変だし、私達に任せてください」

「ありがとう」

「あ、じゃあ莉奈と俺は車から昼ご飯運んできます」

みんなそれぞれ移動すると恭也さんは奥の部屋へ向かっていった。私は作業台に置いてある物を片端から手に取り木材を積んである上に並べていった。そのなかには開いた状態のノートがあった。見るとそこには設計図のようなものや資材をどう扱うかなど、改装に関することがびっしりと書き記されている。これがタケルの言っていた恭也さんのノートなのかもしれない。ページを開いたまま移動させて木材の上に置いた。

「夕夏、ちょっと手伝ってくれない?」

「あ、うん」

タケルに呼ばれて2階へ上がった。2階にはたくさん荷物が置いてある。

「この一斗缶、椅子に使えると思って。中身は入ってないから軽いよ」

「いいね。ここ、すごい荷物だね」

「ああ。1階を先に仕上げようと思って、一旦2階に運んだんだ。他にも廃材とかいろいろあるんだけど、濡れてもいいものは外に置いてる」

「大変なんだね。ほんと、すごい」

「最初はわからないことだらけだったけど、結構楽しいんだ」

「へえー。私も何か手伝えたらいいな」

「ありがとう。もし時間があればみんなでやろう」

「うん」




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