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追憶⑬

携帯電話を手に取り画面を見ると「理久くん」と表示されていた。電話だ。

後で掛けなおすつもりで携帯電話をベッドに置いた。

「あれ?夕夏さん、電話じゃないんですか?」

莉奈ちゃんが聞いた。

「うん。大丈夫」

「私達気にしないんで全然電話出ちゃってください。ほら、鳴りっぱなしですよ」

アプリから掛かってきているため留守電にならないことに気が付いた。

「ごめん、ちょっと出るね」

「はーい」

応答ボタンを押してからリモコンを取りテレビの音量を下げた。

「はい」

『もしもし、夕夏ちゃん?』

「久しぶりだね、どうしたの?」

『お盆休みだからどうしてるかなーって思って』

「今朝まで実家にいたの。もうこっち戻ってきてるよ」

『そうなんだ。今日晩飯一緒に行かない?』

「あー、いま友達来てて」

『そっかあ。急だもんな』

「ごめんね」

『あ、じゃあさ、今月末にある花火大会行かない?』

「花火大会?」

『無理かな?俺、車出せるんだけど』

「31日ってことだよね?」

『うん』

「空いてるよ」

『え、まじ!?』

「うん。仕事終わってからになるけど」

『全然いーよ!職場の近くまで迎えに行く』

「ほんと?ありがとう」

『また連絡する』

「わかった。ごめんね、友達来てるのに。じゃ」

『うん、バイバイ』

電話を切って携帯をテーブルに置くと莉奈ちゃんと遥人君が妙な顔つきで私を見た。

「夕夏さん、今の誰ですか?」

「え、友達だよ」

「なんか男の声が聞こえてきましたけど」

「うん、男の友達」

そう言うと2人はシンクロしたように顔をゆがめた。

「なんで男と花火大会なんて行くんですか!タケルさんがいるのに!」

「そうっすよ!男が花火大会誘うのなんてだいたい気がある相手なんすから!」

「うーん… そんなんじゃないんだけどな」

「ダメダメ!絶対行かないでください!」

「でももう行くって言っちゃったし、私はそういう気ないんだからいいんじゃない?」

「え~」

「それに、タケルは彼氏じゃないんだし」

「あっ、そういえば莉奈から聞きましたよ!タケルさんに言ったんですよね?好きだって」

「あー… それね」

「あれからタケルさんになんか言われました?」

「ううん、特に」

「でも電話で長いこと話したんすよね?」

「うん。一緒に住んでたときの話とか」

「あーもうもどかしいっす!早くタケルさんも言っちゃえばいいのに」

「遥人!!」

莉奈ちゃんが慌てた様子で遥人君の腕を掴んだ。

「タケルが言うって、何を?」

「いや、だからその」

遥人君は莉奈ちゃんの視線を気にして黙り込んでしまった。

「遥人君、タケルと会ったの?」

「会ってないっすけど、前ずっとタケルさんと働いてたんで」

遥人君は俯いた。莉奈ちゃんは思いついたように言った。

「タケルさんと花火大会行ったらいいじゃないですか!2年前4人で行こうとしてた遊園地も行けなかったし、せっかく再会できたんだし2人で花火!」

「そっか、これからはまた会えるからどこでも遊びに行けるよね。なんかそういうことも忘れてた」

「いろいろ楽しみですね~」

「でも先にタケルと恭也さんを元に戻す方法を考えないと」

「それなんですけど、莉奈がいろいろ調べてますっ」

莉奈ちゃんは得意げに自分の携帯電話を指さした。




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