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追憶⑫

唐風軒が今日までお盆休みだからと言って遥人君と莉奈ちゃんが夕方家に来た。

そして、タケルから返信が来て改装している例の場所で恭也さんと3人で会うことが決まった。偶然知り合いに見られる可能性があることについては病院から離れたところで待ち合わせすることで回避できるとして、問題はタケルが今レンタルしている車が軽自動車だということだ。折り畳んだ車椅子を乗せなければいけない。後部座席を倒して入れられても運転席と助手席で2人しか乗れない。

「それなら俺んとこの車で行けばいいじゃないですか!」

遥人君の明るい声が響き、莉奈ちゃんが賛同した。

「そうそう!そしたら私も遥人もみーんなで会えますよ!」

「いいの?あの大きな車だよね?」

「はい!営業中は誰も使わないんで、大丈夫っす」

「お店忙しいのに、遥人君いないと大変なんじゃないの?」

「実は最近バイトの子1人雇ったんすよ」

「そうなんだ?」

「はい、まだあんま慣れてないですけど1日くらいなんとかなるんで!てか日にち決まったんすか?」

「ううん、まだなの。外出許可取ってみるって恭也さんから返信あったんだけど 」

「じゃあそれ待ちっすね」

「うん」

「俺あんまよくわかってないんすけど、恭也って人が今誰なんでしたっけ?」

「もう遥人、何回も説明したじゃん!」

莉奈ちゃんに言われて遥人君は頭を掻いた。

「そうなんだけどさ、何回聞いてもややこしくて忘れちゃうんだよ」

「夕夏さん、紙とペンありますか?」

「あるよ」 

棚の上に置いてあるペン立てからボールペンとメモ用紙を取りテーブルに置いた。

「ありがとうございます」

莉奈ちゃんは簡単な図を描くと遥人君に説明した。

「タケルさんはもともと蓮って人だったの。それが何かのタイミングで中身が入れ替わって恭也さんの体で蓮って人が目覚めたんだけど、記憶が全部消えちゃってたから莉奈達はタケルさんって呼んでた」

「あー、うん」

「で、タケルさんの元の体は長い間昏睡状態だったから恭也さんは入れ替わってる間は意識がなくてなんにもわからない。タケルさんは記憶をなくしてるし、お互いおかしなことが起きてるってこと自体気が付かなかったの」

「う、うん」

遥人君の眉が徐々に下がっていく。

「でも2年経ってタケルさんの体が昏睡から覚めて、また恭也さんと入れ替わったときにやっと事態がわかり始めた」

「タケルさんが元に戻ってるときに夕夏さんが会ってる蓮って人は、タケルさんなんだよな?あれ?俺何言ってんだ?」

「そう!それが問題なの。タケルさんは恭也さんの体で目覚めるとなぜかいつも蓮のときの記憶がないの。で、元の体に戻ったときもタケルさんのときの記憶がないの」

「あ゛―!わけわかんねえ!」

遥人君は頭を抱えた。この複雑な話に対する莉奈ちゃんの理解力に関心していると携帯電話の着信音が聞こえてきた。




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