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ニホンという名の強制労働所に関する報告書

出勤の時の満員電車で思いつきました。

特定の誰かや何かを揶揄する意図はなく、この作品は完全なフィクションです。誇張している表現もあります。

自分自身、一つの所しか知らない若輩者ですんで予想で書いてますわね。

 地球という国には数多くの強制労働書がある。今回はその中でニホンという名の強制労働所についての報告をここにまとめる。ニホンでは他の労働所とは違った異様な文化が創られており、それらはとても興味深い。


 労働所に暮らす者の大半は労働者として各々の作業に従事している。彼らは頭脳労働者と肉体労働者に分類され、労働者は十八歳から六十五歳である。

彼らは労働所内でのみ流通する通貨、エンを労働の対価として与えられている。

 衣食住、労働者の生活に関わることのほとんどにはこのエンが必要であり、彼らは生きるために働き、働くために生かされているのだ。

 さて、労働者達の朝は早い。彼らの多くは、ベッドタウンと呼ばれる区画で労働者用住居にて寝起きしている。この労働者用住居は、労働者が購入する場合と、決まったエンを払うことで借りる場合の二通りが主である。

 住居を購入した労働者はイエモチと呼ばれ、それ以外の労働者よりも一つ上の階級とみなされる場合もある。

労働者達はそれぞれの住居から各自に割り当てられた作業場へと向かうの。移動時間は三十分から一時間程度が平均的である。

 その際の移動手段はトホ、ジテンシャ、ジドウシャ、バス。しかし主な移動手段はデンシャと呼ばれる箱で、ほとんどの労働者はこのデンシャを移動に使っている。

 労働者達は箱に押し込められ、地上に張り巡らされた通路を運ばれていく。しかし中には地下を縦横無尽に巡る通路を進む箱もあるため、その地下通路を使う労働者達は移動の間、日の光を見ることができなくなる。

 この労働者を箱に詰める行為は、労働者達から反抗の意思をなくす効果があると思われる。

 移動の時の労働者の過ごし方は様々だが、多くはこれから始まる労働に備えての休息とすることが多い。他には携帯端末等によって娯楽に興じている。

 作業場の多くはカイシャと呼ばれている。頭脳労働者の多くはこのカイシャに自ら足を運び、パソコンという端末に向かって作業をすることになる。

 労働時間は基本的に八時間。そこに一時間の休憩が加わる。

 時にはザンギョウという時間外労働を申し付けられる場合がある。このザンギョウの時には支給されるエンが割り増しされる決まりになっているが、劣悪なカイシャではこの決まりが守られていないことも多い。このようなザンギョウはサビザンと揶揄される。

 また、サビザン以外にも、前述した一時間の休憩時間中も作業をしている労働者も中にはおり、労働者の労働時間については曖昧な部分が多い。

 カイシャの中でもさらに作業場が分かれている場合もあり、それぞれの作業場にはジョウシと呼ばれる労働監督官が配置されている。これらの多くは労働者の中から選出される。ジョウシに対してその他の労働者のことはブカと呼ぶことが多い。

 このジョウシは作業場の中で監督する立場であるので、労働者の中には労働監督官を目指して働く者も多い。

 しかし、その立場を利用して横暴に振る舞うジョウシも散見される。

 ブカに対して高圧的な振る舞いをすることはパワハラという。

 異性のブカに対して性的な嫌がらせを行うことをセクハラという。

 この二つが近年では大きな問題となっているが、労働者の中にも一部、特権階級を作ることで労働者達の意識を我々から逸らすことができる。目標と敵、二つの役割をこのジョウシは担っているのだ。

 カイシャ内の人間関係を円滑にするために、様々な取り組みがなされている。

 その内の一つにタバコミュニケーションと呼ばれる交流術がある。タバコという嗜好品があるが、それを嗜む場合は喫煙所という定められた場所に行くことが決められている。その喫煙所内での交流術がタバコミュニケーションである。

 このタバコミュニケーションで作業に関する話をする場合もあり、タバコミュニケーションは必要だ、との意見が喫煙者から出ることもある。しかしタバコを吸わない労働者も多いために、喫煙者と非喫煙者の間でのコミュニケーションがとれていなければ無意味である。

 もう一つ有名な交流術がノミニケーションである。これは就業後に労働者同士が連れ立って酒を楽しむ交流術である。酒の勢いで普段は壁のある労働者とも距離を詰めようという試みで始まった交流術である。

 このノミニケーションでは「トリアエズナマ」や「ジョウシニシャク」等の暗黙化されたルールも多い。また、本来は交流の場であるのに説教をする上司や酒を飲めない者への飲酒の強要等、数多くの問題も指摘されている。

 これら二つの交流術は、それぞれタバコと酒を使った交流術である。

 しかしそれら二つを嗜まない者もいるために、これらの交流術は廃れる傾向にある。

 彼らは一日の労働を終えると再びデンシャに乗り、それぞれの住居へと帰って行く。この時もまたデンシャは多くの労働者で込み合う。朝の場合はツウキンラッシュ。帰りの場合はキタクラッシュと呼ばれる。


 彼ら労働者の多くはこの労働所内で産まれ、育てられる。そしてある一定の年齢に達すると、ガッコウと呼ばれる場所で労働者になるための教育を受けることになる。

 ガッコウには、下から順にショウガッコウ、チュウガッコウ、コウコウ、ダイガクがあり、年を重ねる毎に上のガッコウへ上がっている。この内、ショウガッコウとチュウガッコウは通うことが義務付けられているが、コウコウまで通うことが多い。

 コウコウから先はダイガク又はセンモンガッコウへ通うか、労働者になるかの三択が主流である。

 最後に通ったガッコウによって作業場のランクも変わってくるため、多くの子供達はチュウガッコウに通う頃から上へ上へと切磋琢磨している。

 これらの現象を総じてガクレキシャカイと呼び、近年のニホンでは問題になりつつある。

 しかしこのように競争させることで労働者の質を高めることができ、これに付いていけない者を除いたとしても有用であると考えられる。


 このように強制労働所ニホンでは、独自の文化が形作られている。それらの文化は我々のような存在が、いかに効率よく労働力を確保するために仕掛けた文化であり、ニホンはその実験場であるとも言える。

 他の労働所内では見られない文化様式であるため、ニホンの例が有効であると認められたならば、その他の労働慮にも順次適用されるだろう。


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