第40話ー東地編
南地よりはやや小さい大陸のようです。
精霊族がエルフ達と共に治める東地は「ワコク」の広い世界に於いても最も豊かな自然に満たされた場所であった。
妖精を始めとする精霊族も、森の住人であり守護者であるエルフもまた自然を慈しみ愛する種族だ。
南地に魔族が侵攻した1年半と少し前に時同じくして東地にも異形のモノ達が現れた。
魔族四天王が1人ランプが率いた魔族軍は最深の森を誇ったガカーの地を皮切りに乗り込んだ。
ランプは齢が1200年を超えてから先の年齢を数える事はもうやってなかった。
吸血鬼王である彼は始まりの吸血鬼であり真祖であった。
とにかく女性を愛し好んだ。東地を担当したのも美女が多いエルフが棲まう事を知っていたからであったのかもしれない。
当代魔王リオ・リーオよりも古き時代を生き、四天王でもあり、魔王の正妃であるスイスイよりも遥かに力を有していた。
恐らくではあるが魔王よりも力を持っていたのかもしれないが、魔族を統べる事等にさしたる関心を持たず、ただひたすらに女性を欲した。
自ら血を啜り眷属とした者は全てが女性であった事からもその嗜好の偏りが伺える。
悠久の時を生きたランプは大蝙蝠や半吸血人だけでなく、死者乃王やそれが使役する死人に屍鬼、リッチ等を軸とした異形の軍を率いた。
ただそれらの軍の行進は他の魔族軍とは様相を異なり、怨嗟や瘴気を伴い 豊かな森を汚染して行ったのだ。
エメーヒの地にて邂逅した精霊王ミチョークがヨーテモに会うように頼んだ、エルフ王ギネマークはチーコの森の中心に居た。
樹齢2000年を超えると伝承された巨大に聳える立派過ぎる見事な太き聖木の中腹に、設けられた一族の長のみが囲む円卓のテーブルがあった。
元より精霊王ミチョークから伝えられていたエルフ王ギネマークに厳な案内を受け、質素ではあるが美しさを纏う椅子に腰掛けて話を聞く。
両一族たちもまた魔族に劣らず武技より魔力に秀でた種族ではあるが、数と質を伴い、獣人族ほどではなくも、身体能力にも高さを誇る魔族の尖兵に圧倒されて挽回の余地を図れずにいた事を知る。
「直ぐに東地の平穏を取り戻す事をお約束しよう。にわかに信じられないとは思うが、事が成された暁には精霊王とギネマーク殿と我にてささやかな席を設けて頂きたい。」
呆気にとられるエルフ王や各森を守護する一族の長たちを尻目に、若く幼さを残す人族の王は静かに席を立つとミコトとセチャーンを引き連れて聖木を降りた。
死霊使いの隊長ヤマトと副長シュンを此の地に選んだのも何かヨーテモには考えがあったのであろうか。
エメーヒの地に長距離転送魔法陣を使ってヤンシを呼び、エルフ王宛に使い魔を飛ばすと、東地の平定後の話し合いに向けた準備がなされた。
戦う前から戦後について相談なんて…
先方にも訳ワカメ…ですよねぃー




