第38話ー南地平定
足早ですー!汗
「第2陣が来てくれるからってあぐらをかくなよ?俺達だけで大勢を決してやるぞ…。」
コアが総指揮を執るハカータ攻略連隊もまた、錚々たる厚みを誇った。
無論此方にも立て直した獣人族の軍が参戦してくれている。王妹エンピ・アーオがその指揮だ。
「万全を期すならばクマモ奪還の後に、ガサキ、サーガ、クマモへ派兵した総力をもって臨むべきかとは思われますが…。今更貴方がたの力量に疑いの余地もございません!我等が誇り高き獣人族も本来魔族に劣るはずがなき事を必ずや見せてご覧になります!」
エンピ・アーオもその配下の近衛師団の兵たちも、壊滅の憂き目に遭ってた頃とは違って見えた。
「魔王リオ・リーオの本軍さえ駆けつけなければ、四天王スイスイ単独の軍だけでの勝利など無いに等しいくらいは俺にもわかる。」
リンは大局を見る目が養われているようだ。
将来有望な指揮官となるだろう。
「うちの騎兵は馬じゃない、従魔騎兵。アキさんとこより足は遅いが頑丈で共に戦えるよ!」
フル・チョー隊長は得意気だった。
「二足歩行の大蜥蜴は竜種ではないけど、走竜って言われるくらい立派な体躯だもんね!」
と、ターマカーマが言うと。
「少々の矢弾も魔法も厚い皮膚と装甲は破らせないし!その身に宿す大きな牙は魔獣や弱い魔族くらいなら噛み砕いてくれるんだぜ?」
ホケラビも従魔使いだからか身贔屓の癖が濃いぃんぢゃ…。
「後から来るツキジやチョス、クロラ達になんか手柄はあげないってば!」
ナギはいつもツンツン気味だ…カルシウム不足か。
「弦をパチんと弾いてゲンパチ…なんでや!」
ゲンパチの自称鉄板の自虐ネタは毎度の事だ。
「…。」
物言いたげなメンバーの声を遮ってコアが一際大きな声で鼓舞する。
「これより先百年は南地も東地も、当然最南地すらも…踏める事がないとわからせろ‼︎明日より先の事など考えるな!前に進め、魔族軍を斬り伏せろ‼︎」
ウォォォォォォォォーーー‼︎‼︎‼︎
気配を目一杯解放して全身から魔力を垂れ流して重圧を押し向ける。
「着弾まで2分よ!」
ルカとゲンパチを筆頭に実矢弾に魔力矢を交えた大量の矢が前方上空へと撃ち上がる。
「2分後には相手先陣へと斬り込むぞ…。」
フル・チョー隊長とターマカーマ、ホケラビが互いの目を合わせてゆっくりと頷く。
大蜥蜴を中心とした従魔騎兵隊は総員であぶみを蹴り、颯爽と駆け出した。
魔力付与された大量の矢弾が魔族軍の先陣を襲うと同時に従魔騎兵隊が斬り込む。
「身体1つで斬り込むコアさんとこの特殊小隊には上位身体強化のサービスしちゃうぅぅーww」
ヒーゲバストゥの回復支援小隊も隊を前に押し出し、乱戦に備えた。
「敵の小隊指揮官を特に狙い撃て‼︎」
ゲンパチの言うそれは兵法の常である。
「森羅万象‼︎‼︎」
四大属性全てを極めたナギの極位魔法は上位魔法の比にならない威力を誇った。
火炎が嵐を伴って襲い、土石流が水、土を伴って襲う。文字におこすのが難しいが、多種の天変地異が一気にまとめて超常現象として顕現される。
「上位範囲嵐撃!…ナギさんのせいで俺目立ってなーーーい!」
シャラ…百年早い…
「一点突破!」
ゲンパチとルカは次々と魔族軍の先陣小隊指揮官を射抜いていく。
連弩と大弓が矢弾を降らせ、従魔騎兵が口火を切り、特殊小隊が雪崩れ込む。
矢を構え直すよりも早く、敵の反撃の前には大魔導士ナギ副長小隊の範囲魔法が蹂躙する。
討ち漏らしても獣人族の精鋭までが厚く取り囲む。
(一体全体どういう事よ⁉︎泣いて怯え逃げ惑っていてばかりだった獣人族と最弱の人族の癖に…。)
スイスイの元には前線の崩壊と、配下の訃報ばかりが届けられたのであった。
「ポズン、ミトサ、あんた達も一緒に行くわよ!」
四天王スイスイは手飼いの名前持の士官を引き連れ、前線の立て直しを図る事にした。
「しかしスイスイ様…リオ様の正妃である貴女様に万が一があっては…。此処は我々に任せて中地へと戻り指示を仰がれてみては⁉︎」
ポズンに諌められ、渋々スイスイは戦線を離脱した。
先代獣王を討ち破った事のある、魔王正妃でもある四天王スイスイが本隊は、他の四天王の軍よりも遥かに数も質も優っていた。
だが次々と指揮官を失うとその連携は損なわれ、無残に屍を晒すばかりであった。
クマモの様な堅牢な城が無かった事も災いしてか、半日も待たずに大勢は決してしまったのだ。
GWの10連休もあと僅かですね!
家族サービスも!仕事も!
ラストスパートですぜぇぇぇー!




